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科学のつまみ食い 雑記帳

 この雑記帳は「科学のつまみ食い」管理人のI-sattoが徒然なるままに書き留めた雑記帳です。「科学のつまみ食い」に関係することしないこと含めて書き 留めてあります。なお、書かれている内容は精査していないので、不正確あるいは、明らかに誤っている場合もありますのでご了承ください。
M104 今年初めての星見

M104 LX200GPS-30(Alt/Az-FDR 300D) 昨夜、今年初めての星見をしました。予定は、木星、土星、M104だったのですが、土星は時間がなくて見ることができませんでした。
 まず、木星を導入し、TouCamProで撮影しましたが、空の状態は透明度は高いのですが、強風のため像がゆらゆら揺れ、シンチレーションとしては最悪でした。画像は整理したら、ホームページのほうに掲載します。
 次に、M104です。通常経緯台でフィールド・デ・ローテーターという装置をつけて、撮影しています。この日は、オフアキシスガイドでの撮影予定だったのですが、ガイド星が見つからず、見つかっても暗くてガイドできない状態でした。仕方がないので、ノータッチガイドで1分露出の撮影を行いました。カメラはEOS Kiss Digitalですが、ISO(感度)を100のままだったので失敗です。とりあえず、コンポジット・画像処理をしたM104の画像を掲載しておきます。ISOが低かったため、ノイズが浮き出でしまってます。また、光害のためにバックグラウンドが明るくなってます。
 ちなみに、メシエ天体は昨年から取り続けていて、幾つか公開できるものも溜まってきたので、そのうちホームページのほうにも掲載します。

 オフアキシスガイダーでガイド星が探せなかった理由が判りました。オフアキシスガイダーとカメラの間が離れていたため、ガイド星を半径0.5度の範囲内で探さねばならなかったのが理由です。オフアキシスガイダーとカメラとの距離を近づければ計算上は半径1度の範囲内で探せることが判りました。オフアキシスガイダーへ導かれる光量が巣l区なくなっていたためと思われます。オフアキシスガイダーのプリズムは有限の面積を持っているので、その面に集まっている光しか集光できません。例えば、右図のようにオフアキシスガイダーにCCD/フィルム面が遠い場合はオフアキシスガイダーのプリズム面からガイド星の光が集光される面までの距離も遠くなります。このため、ガイド星の光が集光される実質F値は

実質F=プリズムからガイド星の焦点までの距離/プリズムの有効直径

になります。従って、オフアキシスガイダーとカメラとの距離を近づければ近づけるどF値が小さくなり、ガイド星が明るくなって、オフアキシスガイドをしやすくなります。ちなみに、ガイド星の明るさは、F値の二乗に反比例するので、距離〔F値)が半分になれば、集光力は4倍になり、約1.5等級暗い星でもガイドできることになります。
しかし、フィルターの取り付けやフレーミングのためのカメラの回転等の支障が出そうです。現在、手持ちの機材でどの程度のことができるか検証してみました。

1.OFF-AXIS GUIDER→Tマウントアダプター→300D

               :76mm、フィルター・カメラ回転不可

2.OFF-AXIS GUIDER→BORG7528→BORG7000→BORG5005→300D

               :85mm、フィルター57mm、カメラ回転不可

3.OFF-AXIS GUIDER→BORG7528→BORG7351

          →BORG7000→BORG5005→300D

               :104mm、フィルター57mm、カメラ回転可

4.OFF-AXIS GUIDER→BORG7528→BORG7601

          →BORG7351→BORG7000→BORG5005→300D

               :116mm、フィルター48mm、カメラ回転可

5.OFF-AXIS GUIDER→BORG7528→BORG7601→BORG7501

          →BORG7425→BORG7000→BORG5005→300D

               :115mm、フィルター48mm、カメラ回転可

6.OFF-AXIS GUIDER→BORG7528→BORG7601→BORG7602

          →BORG7501→BORG7425→BORG7000→BORG5005→300D

               :135mm、フィルター48mm、カメラ回転可

となります。M104撮影の際は上の6で試みていますので、距離は135mmになります。現在、手持ちのフィルターは48mm径なので、フィルターを使用しようとすれば、最短で116mmとなり、12mm程度しか短くなりません。カメラのフランジバック44mmを考えれば、1割程度しか短くなりません。これでは、半径1度には達しないでしょう。距離が0.86倍になるので、1.35倍程度明るくなります。BORG7601をBORG7506に変更しても更に2mmしか縮まりません。57mmフィルターを使用するしか、手はないようです。そこで、以下のような、構成を考えてみました。

7.OFF-AXIS GUIDER→BORG7528→BORG7351→BORG7502→T→300D

             :104mm、フィルター48mm、カメラ回転可

8.OFF-AXIS GUIDER→BORG7528→BORG7351→BORG7523→M32→300D

             :98mm、フィルター48mm、カメラ回転可

9.OFF-AXIS GUIDER→BORG7528→MTF→MTM→BORG7523→M32→300D

             :93mm、フィルター48mm、カメラ回転可

9を採用すれば、距離が0.69倍になり、明るさは2.1倍になるので、約0.8等級暗い星が使えそうです。とりあえず、機材の手配はしてあるので、後は実際どうなるか確認すればよいはずです。

 ちなみに、直結(上の1の状態)の場合が最も明るいですが、この場合は、距離が0.56倍になっているので、1.25等級暗い星でもガイドできることになります。

 この太字赤文字は2004年2月24日の記事を3月8日に追記したもので、
RG7601のような取り消し線は、削除したものです。

 さて、昨夜2004年4月2日に、再度オフアキシスガイドの検証をしました。上のほぼ9番の方法を用いて(Meadeのオフアキシスガイダーからセレストロンのオフアキシスガイダーに変えました。)、再度挑戦しました。結果は、アイピース及び Meade LPIでガイド星を確認しましたが、LPIでのオートガイドはできませんでした。以下にM104で、使用するガイド星とLPIの情報について記しておきます。

ガイド星情報
恒星 (Vir)
HIP61656 HD109875 SAO157411 TYC5531-1266-1
光度 7.70等
赤経:12h38m19.9s 赤緯:-11゚31'01" (J2000)
黄経:193゚23'52" 黄緯:-06゚47'38"
方位:344.964゚ 高度: 40.907゚

LPI情報
    露光時間  2.0秒〔0.377秒でも確認可〕
    ゲイン   最大
    オフセット 70%


Meade LPIでは、2秒露光で、ガイド星を確認できますが、2秒間隔でのオートガイドは不可能でした。1秒未満の露光ではコントラストが悪く、LPIがガイド星を認識できないようです。次にスピカを使用して、ガイド性能の検証を行いました。以下にスピカについて記しておきます。

スピカ情報
    67α Vir(おとめ) スピカ Spica
    HIP65474 HD116658 SAO157923 TYC-1--1--1
    光度 1.00等
    赤経:13h25m11.6s 赤緯:-11゚09'41" (J2000)
    黄経:203゚54'03" 黄緯:-02゚03'17"
    方位:340.256゚ 高度: 40.370゚

LPI情報
    露光時間  0.001秒
    ゲイン   最大
    オフセット 60%


 この結果から、オフアキシスガイド可能な光度を求めてみます。等級は1等級で焼く2.512倍の明るさの違いがありますから、

    等級 = Log(露光時間の比)/ Log (2.512)

となります。過去にはM1を撮影時に明るいガイド星で、0.375秒の露光時間でガイドが成功しています。このことから、現状でのガイド可能最低等級は6.4等級となります。現状では7.4等級でガイドすることは難しいようです。
そこで、次回は、レデューサ(F6.3) を使用して挑戦しようと考えています。現在F10ですが、F値が明るくなれば、ガイド星に要する明るさも小さくできます。望遠鏡で見える星の明るさは

   明るさの倍率=F値の比の二乗

に比例しますから、F6.3のレデューサを使用すると約2.5倍明るくなります。これは1等級明るさの比ですから、理論的な現状でのガイド可能最低等級6.4等級より、1等級暗い7.4等級が可能となると考えられます。但し、望遠鏡の倍率も0.63倍になってしまいますが。。。

( 2004年02月24日[火] )

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