科学のつまみ食い 雑記帳バックナンバー   M10    2008年7月2日の成果

科学のつまみ食い 雑記帳

 この雑記帳は「科学のつまみ食い」管理人のI-sattoが徒然なるままに書き留めた雑記帳です。「科学のつまみ食い」に関係することしないこと含めて書き 留めてあります。なお、書かれている内容は精査していないので、不正確あるいは、明らかに誤っている場合もありますのでご了承ください。
M27

M27M27
さて、オートガイドも成功し、画角チェックも終わったので、この時期に見えるメシエ天体をいくつか撮影してみました。この写真は、M27です。M27は亜鈴(あれい)星雲といわれる視直径7分の惑星状星雲です。眼視では薄く青で広がる部分はほとんど見ることができず、赤い部分が見え、鉄亜鈴のように見えるためこの名があります。星の寿命の際に爆発で放出されて球状に広がったガスに、中心星からの紫外線があたり蛍光灯のように光っているといわれてます。この広がりは100年間に6.8秒ほど大きくなっていることから、3〜4000年前に爆発が起こったと推察されています。
撮影情報は
 M27
 2008/06/14 01:16:50
 Meade LX200GPS-30(Polar/AutoGuide)
 Meade F6.3 FR/FF SBIG ST2000XCM
 EXPT=600sec Temp=-14.8℃
 9 frames composite
です
 先のコンポジットをしていない画像と比べるとなめらかで、淡い青の部分がよく見えています。「メシエ天体を観察しよう」では、冷却CCDではなく、デジカメで撮影したアレイ星雲もありますので、参考にしてください。

M27赤外処理M27赤外処理
 こちらは、上と同じ画像の処理方法を少し変えてあります。今回の撮影では赤外線カットフィルターを入れていないので、赤外線が良く写っています。そのため、上の写真のように光の弱い恒星が赤くなってしまっています。また、光の強い恒星でも、その周りに赤い色収差が出ています。これを補正することを試みました。
 処理はステライメージ6を使用して行いました。
1.撮影画像をRGB分解
2.GB画像の恒星の強度をスターエンハンスで強くする。
3.GB画像を構成のサイズをスターシャープで小さくする。
4.撮影画像をモノクロ化
5.RGB画像とモノクロ画像(L画像)を使用してLRGB合成する。
あとは通常と同じ処理です。
この方法で処理したのがこの写真です。
少々、処理がきつかったたため写真ぽさが無くなり絵画的になってしまいました。これは、恒星像が真っ白に飛んでいて階調がなく、更に、星像が肥大しているためです。しかし、赤外の色収差が取れていることは確認できると思います。 この方法をうまく使えば、赤外の色収差をある程度軽減できそうです。

( 2008年07月18日[金] )

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