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科学のつまみ食い 雑記帳

 この雑記帳は「科学のつまみ食い」管理人のI-sattoが徒然なるままに書き留めた雑記帳です。「科学のつまみ食い」に関係することしないこと含めて書き 留めてあります。なお、書かれている内容は精査していないので、不正確あるいは、明らかに誤っている場合もありますのでご了承ください。
分光器

蛍光灯のスペクトル 分光器を作ってみました。作り方は、後ほど詳細に述べますが、右の写真は、写真を撮影できるように作成した分光器で撮影した蛍光灯のスペクトルです。蛍光灯は中に水銀が入っていて、アーク放電により、水銀が発光し、253.7nmの紫外線を放出します。その紫外線が蛍光物質に当たって、色々な色を出しています。この蛍光物質の違いによって蛍光灯の色彩を変えています。

分光器の作り方 分光器の作り方はいたって簡単です。先に述べたように、菓子箱の片面にシート型の透過型回折格子を張り、対面する面にスリットになるような細い切れ込みを入れるだけで、簡単に作れます。しかし、私は、写真撮影をすることを考えたため、もうちょっと工夫しています。使ったものは、左の写真おとおりです。
@スリット
 黒いプラスチックの板を円形に切り、一部切り欠きを作ります。アルミホイルをその切り欠きより大きめに切り、カッターナイフで中央に切込みを入れます。これを先ほどのプラスチックの板に貼ります。高い分解能を望まなければ厚紙にカッターで切込みを入れただけのスリットでもOKです。
A黒い筒
B透過型回折格子
 黒いプラスチックに四角い穴を開け、その名が手がスリットです。、透過型の回折格子(1000本/mm) を使いました。スリットの長手方向に回折格子の格子方向を合わせます。虹の線がスリットと一致するようにします。
C黒い筒
を組み合わせて、カメラに取り付けられるようにしました。
左の図で、大体作り方がわかるっともいます。写真のように箱の両端にスリットと回折格子をつけた簡単な分光器でもちゃんと見ることができます。

 一番上の最初の写真のように撮影したスペクトル光の強度をグラフにしてみました。方法は、撮影した写真の輝度を縦方向に足し合わせて、相対強度としました。横軸がCCDのピクセルで、光の波長に対応します。縦軸が光の相対強度です。鋭いスペクトルがいくつか見えますが、いずれも、蛍光灯の中の水銀が光っているスペクトルです。上の写真との対応をとってみてください。

波長校正したスペクトル せっかく上のようにスペクトルの相対強度を測定したので、波長も校正してみました。最初に述べたように蛍光灯はアーク放電によって、水銀が253.7nmの紫外線で発光し、それが蛍光物質を光らせます。しかし、水銀はこの紫外線以外にもいろいろな輝線スペクトルを持ちます。この分光で現れている輝線スペクトルはグラフに示すとおりです。この輝線スペクトルを先の分光器の作り方に記載した式で校正します。
このスペクトルグラフの赤文字は校正されたスペクトル波長で、黒文字はNISTの文献によるスペクトルの波長です。
 576.959nm  と  579.095nm
のスペクトルが分解していることから、この分光器の分解能が2nm程度であることがわかります。もうちょっと工夫すれば、1nm程度の分解能を得ることができるかもしれません。

太陽スペクトル 上のようにして、色々な照明のスペクトルを測定してみました。蛍光灯のほか、別の種類の蛍光灯、白熱電球やクリプトンランプ、ハロゲンランプ、そして太陽光、この雑記長で全てを紹介するのは無理があるので、後で整理して掲載します。ここでは、太陽光について紹介しましょう。太陽光は一般に連続光といわれていますが、太陽スペクトル中には左のスペクトルの様に幾つかの暗線(吸収線)が見られます。これらは、Joseph von Fraunhoferによって1814年発見されました。これらは、太陽からの光が、途中の太陽大気中の原子や、地球大気中の分子によって共鳴吸収されるために生じたものです。現在では数万本のスペクトルが確認されていますが、この分光器で確認できるのは、グラフのような吸収スペクトルです。

吸収スペクトル 上で紹介したように太陽光が途中にある原子や分子に吸収されて、そのスペクトルが観察できるということは、連続光源を使用して、色々なフィルターや物質の吸収スペクトルを測定することが可能です。このような装置は吸光分光装置として市販されています。この分光器で色々な光源を測定したところ、350nm〜800nmの幅広いスペクトルを持つ、ハロゲン光源が適当であることが判りました。そこで、ハロゲン光源を用いて、吸光分光を行ってみました。右のグラフは、ハロゲン光源のスペクトルと、天体撮影などで使用される光害フィルターの吸収スペクトルを掲載しました。波長校正のために、蛍光灯のスペクトルも掲載しました。LPS-P1は丁度、蛍光灯の基線スペクトルを遮断できるようになっています。このようにして、町の明かりを遮断して、天体の光のみを多く通すことにより、天体撮影ができます。

吸収度 さて、上で掲載したLPS-P1とNBN-PVスペクトルをハロゲン光源のスペクトルで割ったものが、吸光度です。そこで。この吸光度を計算してスペクトルにしてみました。それが、このスペクトルです。フィルターの吸収の割合を表すことになります。

( 2007年01月26日[金] )

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