科学のつまみ食い 雑記帳
さて、画角のチェックのつぎは、オートガイドテストです。このSBIG ST2000XCMは2チップで、オートガイド用の素子を持っています。そこでオートガイドのチェックを行いました。画角のチェックでは10秒露光で、まったく流れは感じなかったので、F10でも10秒は赤道儀任せのノータッチガイドで追尾可能です。
光学系はF6.3FF/FRを使用したF7.0で、St2KXMCは180度回転して取り付け、ガイド星を導入しています。
オートガイドソフトはStellaGiearを使用し、露光時間は1秒、周期は5秒ビニング無、バッククラッシュの補正無、でキャリブレーションをしています。なかなか、キャリブレーションが正常に終了しませんでした。
さて、写真は、30秒露光です。キャリブレーションは成功して、オートガイドを掛けています。写真を見る限り流れていません。ダーク補正もしています。
60秒露光では
さて、次に、同じ構成で60秒露光のオートガイドを行いました。写真の通り、かなり流れています。オートガイド失敗ですね。ガイドされていないのかどうか判別付きません。流れは赤経方向で赤緯方向には流れていないようです。赤経方向はバッククラッシュが多いので、そのせいかもしれませんし、モーターの追尾が悪いのか?
キャリブレーションとオートガイドのログを残すように設定しておくべきでした。
最も流れたのは180秒露光
とりあえず、30秒から300秒までバッチ処理で連続して撮影したのですが、30秒以外はすべて流れてしまいました。もttも流れたのは180秒露光の画像でした。ん〜、まったくオートガイドされていないようです。赤道儀の極軸チェックの時にアルクトゥルス(Arcturus)を使用して、LG5という高橋の5mmのアイピースを使用して、600倍でチェックしたときにも赤経方向に流れていました。やはりモーターのせいかなぁ?
それでもオートガイドでしっかり追ってくれればよいのですが…
180秒では60秒露光時と同程度の流れのときと、その倍程度の流れの場合があります。流れていても星の輝度が高いところと低いところがあるので、オートガイドしているような気がします。やっぱりログが必要ですね。ちなみに、300秒の露光時間の場合は60秒のときと同程度です。写真は、流れを拡大して撮影したものです。
そこで、それぞれの流れる幅を調べてみました。
30秒-2 15pix
60秒-1 30pix
120秒-1 41pix
180秒-1 30pix
180秒-2 58pix
300秒-1 37pix
300秒-2 41pix
となっています。
これをみると、星象は15pixが3〜4倍程度に伸びていることになります。流れとしてはこのくらいなのでしょうか?
また、いずれも赤経が遅れているようです。これは、RAモーターの力不足かもしれません。ひょっとすると、冷却CCDと電源が一緒なので、電圧降下で遅れているのかも?
試みること
1.電流が足りない/冷却CCDの電源と望遠鏡の電源を分ける→望遠鏡に通電中に、冷却CCDに通電すると望遠鏡がリセットする。冷却CCDを先に通電した場合は問題ない。冷却CCDでオートガイド中に望遠鏡がリセット。
2.修正周期が5秒を0秒にする→修正周期が長く、オートガイドが追い付かない可能性がある。
オートガイド成功
結局、オートガイドが成功しなかったのは、上記の1のとおり電源容量が足りなかったためのようです。この日(6月13日)は、風が強く、強風のたびにガイド星を見失いなかなかオートガイドに成功せず、M5での試験は断念しました。実は、私の家からは、東側は開けていますが、その他の方角では、天頂付近以外は観測でいないのです。そこで、M5を断念した後にGSC2141.2712という6等星の恒星で10分間のオートガイドができることを確認しました。、