科学のつまみ食い 雑記帳
梅の花粉の写真に続いて、桜の花粉の写真です。こちらは、2006年4月9日採取したものです。この写真はグリセリンゼリーで封入した膨潤型の花粉です。大きさは直径が30μm強の円形をしています。この桜は、近所に咲いたソメイヨシノです。ソメイヨシノは全て同じDNAをもつクローンです。詳しくは、以前、この雑記帳の梅と桜で書いていますので、参考にしてください。
ところで、先日、空中花粉の採取で、梅か桜のらしい花粉が観察されたと報告しました。しかし、上に掲載した桜の花粉は丸い(三角形を丸くしたような感じ)形です。そこで、同じプレパラートから、梅の花粉のような三角形のものを探し出しました。それが、この写真です。この写真は、三角形で、その頂点が薄く破れたような形になっています。これは、梅の花粉に似た形です。どうして、上の写真のような丸いものと、この写真のような三角形に近いものができたのでしょう?
グリセリンゼリーの吸い込み方の違いではないかと推測しますが、定かではありません。とりあえず、花粉採取器の花粉は梅か桜らしいということははっきりしたのではないでしょうか?
さて、こちらの写真はカナダバルサムで封入した乾燥型の桜の花粉です。上の写真とまったく同じ花から採取した桜の花粉です。膨潤型・乾燥型を比べるとずいぶんと形が違うことが判ります。大きさは長手方向が30μm強程度のたる型に見えます。先の梅の花粉と比べると、乾燥型は比較的にているのに、膨潤型がまったく違う形をしているのは驚きです。