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科学のつまみ食い 雑記帳

 この雑記帳は「科学のつまみ食い」管理人のI-sattoが徒然なるままに書き留めた雑記帳です。「科学のつまみ食い」に関係することしないこと含めて書き 留めてあります。なお、書かれている内容は精査していないので、不正確あるいは、明らかに誤っている場合もありますのでご了承ください。
空中花粉の採取

空中花粉飛散量

花粉の飛散の次期が近づいてきました。花粉症方には辛い季節が来たと思います。スギ花粉は3月初めくらいから飛散し始めるので要注意ですが、今年はスギ花粉は少ないということですので、若干楽なのでしょうか?
そこで、空中飛散花粉を採取してその花粉量を測定することとしました。採取は、昨年から徐々に始めました。2月に入ってからはほぼ毎日採取しています。測定値は右のグラフで表します。このグラフは、適当な頻度で更新していく予定です。今後、このグラフにご注目ください。

スギ花粉 2月14日に水戸で今年初めてスギ花粉が飛んだようです。一応写真を撮影したので、掲載しておきます。18x18mmに2個確認できましたので、約0.62個/cm^2です。通常、飛散開始日は『1月1日より初めて連続2日以上 1個/cu以上が観測された最初の日』とされていますので、まだ飛散開始日とはいえないでしょう。

本格飛散 2月21日に0.9個/cm^2、22日に2.1個/cm-^2、そして、23日には大量の41個/cm^2の花粉を確認しました。水戸でも本格的に花粉が飛び始めたようです。写真はにゲンチアナバイオレットを混入したグリセリンゼリーで封入してあります。このように予めゲンチアナバイオレットなどの染色液を混入しておくと、花粉だけが青く染色され、気泡は白いままです。これにより区別が容易につきます。

ダーラム型空中花粉捕集器 空中飛散花粉を採取するために次のものを準備します。ダーラム型空中花粉捕集器、グリセリンゼリー、白色ワセリン、スライドグラス、カバーグラス、顕微鏡、染色液(ゲンチアナバイオレット、メチレンブルー、エオシン)。
 採取に使用するのはダーラム型空中花粉捕集器で、これは左の写真のようなものを自作しました。直径23cmのアクリル板2枚に3箇所の穴を開け長さ10cmボルトとナットで間隔が9cmに成るように固定します。真ん中に下のアクリル板からの高さが2.5cmになるようにスライドグラスを固定できる台を取り付け、クリップでスライドグラスを挟めるようにしたものです。
 設置は、本来なら
 1.近くに障害物になるような高い建物が無いこと
 2.障害物がある場合はその障害物との角度が20度以下、距離が6m以上jあること
 3.周りが囲われている場合はその囲いよりも70cm以上高くすること
等が条件になりますが、一般の家庭でそのような場所はなかなかありません。そこで、右の写真のようにベランダから1m以上突き出して設置できるようにしてあります。

 3月7日に春一番が吹きました。そのため花粉の飛散量が急激に増えたようです。飛散量は188個/cm^2とかなりの量が飛んでいます。街中ではマスクをしている人が増えだしました。皆さんは大丈夫でしょうか?私はまだ花粉症ではないようです。

今回は空中花粉採取法の実際の方法を掲載しておきます。
 1.スライドグラスに白色ワセリンを塗ります。
   手の汚れが付かないようにサランラップなどを指に巻いて塗ると良いでしょう。
 2.スライドグラスをダーラム型空中花粉捕集器にセットします。
   セットした時刻を記録しておきます。
 3.24時間後にスライドグラスを回収します。
   通常1日の飛散量を調べますが、花粉の少ない時期は長くしても良いでしょう。
 4.花粉を染色します
   花粉を他の粉塵などと明確に区別するためには染色したほうが良いです。
   花粉を染色するのに都合の良い染色液は
    通常花粉染色には、ゲンチアナバイオレットが使用されます。
    手に入らなければ、メチレンブルーやエオシン等でも良いです。
    メチレンブルーが比較的手に入りやすいでしょう。
    予めグリセリンゼリーを作るときにこれらの染色液を混ぜておけば、
    染色の必要はありません。
 5.グリセリンゼリーで封入する。
    通常のグリセリンゼリーを使用した方法と同じです。
    グリセリンゼリーを2x2x2mm程度スライドグラスの上に載せ、
    暖めて、ゼリーが溶けたらカバーグラスを掛ける
 6.顕微鏡で観察する。
    カバーグラスの大きさは通常1.8x1.8mm=3.24mm^2なので、
    花粉のかずを数え、3.24で割れば、単位面積あたりの花粉の
    飛散量がわかります。

梅か桜の花粉 本当は、スギ花粉の拡大した写真を掲載しようかと思っていたのですが、4月10,12,15日と杉で無い花粉が観測されたので、その写真を掲載します。左記の掲載した梅か桜の花粉のようです。梅の花粉のほうが桜の花粉よりも三角形に近いのですが、時期的に梅は終わって、桜の時期なので、桜の花粉かもしれません。梅も桜も虫媒花で花粉は昆虫が運ぶものですが、風が強いときには風によって運ばれることもあるようです。

スギ花粉さて、今まで、ここに掲載している写真は全てゲンチアナバイオレットで染色していますが、顕微鏡で観察した時に計数しやすいように、濃い目に染色しています。従って、花粉の様子は青くなるだけで詳細は判りにくくなっています。そこで、比較的染色の薄いスギ花粉を選んで、右に写真を掲載しました。
 撮影情報は
  対物レンズ FlPLL40
  接眼レンズ FK6.7 (0.0283μm/pix)
  ISO 200  SS 1/10
です。
スケールを示してありますので、花粉の大きさが良く判ると思います。直径は33.6μmです。スギ花粉は風媒花ですので、この50μmにも満たない微粒子が空気中を舞って広がっていきます。右に長さ4.5μmの突起物があります。この突起物の根元の太さは5.7μmで、円錐状をしています。この突起はパピラと呼ばれ、スギ花粉の特徴になっています。周囲は核に覆われ、その中に内容物が見えます。しかし、そろそろスギ花粉も終わったようです。

色々な花粉 4月の終わりごろの花粉です。6月になってしまったので、かなり遅れての掲載です。スギ花粉は減ってましたが、4月の上旬は梅あるいは桜の花粉が若干舞っていたようです。4月26日にはヒノキらしい花粉を、また、昨日(4月29日)には松の花粉も観測されました。今日(4月30日)にはこれら様々な花粉を観測しました。写真はそれらを組み合わせて掲載しました。左上は松花粉、右上の写真は三角形で桜や梅に似た花粉ですが、この時期の三角形の花粉はかしわやかし、こならなどのぶな科の植物の花粉と思われます。左下は突起物が無いのでヒノキの花粉ではないかと思いますが、右下は楕円状で何の花粉かは判別できません。このように、今の時期色々な花粉が舞っているようです。

( 2006年06月12日[月] )

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