科学のつまみ食い 雑記帳
飼っていたザリガニの水槽から水中微生物を採取して顕微鏡で覗きました。採取方法は後ほど説明します。右の写真は、生きたままの水中微生物を顕微鏡で観察したものです。
写っているのは、ゾウリムシとワムシの仲間だと思います。ワムシはたぶんウサギオワムシではないかと推測しています。動きが非常に早いので、水中微生物(ワムシ)を追いながら、ピントを合わせつつ、ゾウリムシと遭遇したときに撮影しました。そのため、若干のピンボケです。
撮影データは
対物レンズ Ach4
接眼レンズ FK3.3
ISO 200、SS 1/1000
0.5714μm/pix
です。
採取方法は、左の写真のように糸でつったスライドグラスをザリガニの水槽に、沈めました。これを2週間ほど置いて回収し、そのスライドグラスに付着した藻等を、ザリガニの水槽の水で少量流しながら、古い歯ブラシで擦り取ったものです。その一部をホールスライドグラスに取り、カバーグラスをかけて観察しています。
さて、上のように採取した水中微生物のうち、ゾウリムシを永久プレパラートにして見ました。
用意するものは、顕微鏡、スライドグラス数枚(ホールスライドグラス)、パスツールピペット。
方法は、
1.最低倍率でホールスライドグラス中の微生物試料を観察します。
カバーグラスはかけません。
2.顕微鏡を覗きながら視野にピペットが見えるように手で持って近づけます。
空いているほうの手で、スライドグラスの位置を調節しながら微生物を探します。
視野は上下左右が反転していますから、動きに注意したください。
3.微生物が、ピペット口近くに現れたら、スライドグラスに接触させます。
そうするとガラスの毛細管現象で水が吸い取られます。
4.吸い取った微生物と水を新しいホールスライドグラスに滴下します。
5.水で薄めます。
6.1〜6を何回か繰り返し、目的の微生物のみを分取します。
7.ホルマリンを針の先に少量つけて目的の微生物を固定します。
8.グリセリンゼリーで封入します。
グリセリンゼリーはホルマリンで固化してしまいますので、
ホルマリンは極少量にします。
この方法は、先に固定してしまってもかまいません。
このようにして作成したゾウリムシのプレパラートの写真を右に示します。
撮影データは
対物レンズ Plan Apo x10
接眼レンズ FK3.3
カメラ *ist D SS 1/250 ISO=200
スケール 0.2257μm/pix
です。
ゾウリムシの内部構造を観察できます。丸く見えるのが大核で、写真の下側が腹になります。腹側に斜めの線が見えますが、これが、細胞口(口溝)で、その左側が細胞咽喉(口腔)で、いわゆる口に当たります。それ以外は、良く判別できません。