科学のつまみ食い 雑記帳
顕微鏡観察では、通常ケーラー照明が行われます。しかし、ケーラー照明装置の電球はクリプトンランプなどを使用していますので、電圧を変えて明るさを変えると、暗い場合は赤っぽく、明るくなると白っぽくなり色が変化する上に、寿命はあまり長くありません。それに比べ、LEDは色の変化は少なく、寿命が長い、しかも、LEDの種類を変えると色も変えることができます。しかし、電球は交流で動きますが、LEDは直流なので電源を直流電源にする必要があります。そのためには直流電源を用意する必要がありますが、電池でも可能です。ということで、簡単な工作で、LED照明に切り替えてみました。写真は作成したLED照明です。2005年以降に撮影している顕微鏡写真は全てLED照明をクリプトンランプに置き換えたケーラー照明装置で行っています。
使用した材料は、写真にあるように、
LED :3.6V 30mA 白色ダイオード (明るさ5cd/3ルーメン)程度のLED
L-5T47LWC-T-D1や
ダイオード :逆電流防止用ダイオード ISR139-400
抵抗 :LEDのインピーダンス調整のための51Ωの抵抗
電球口金 :BA-15dあるいはBA15s等照明装置にあわせて
ブレッドボード:回路をくみ上げるために円形に切り取る
ホース :電球口金とブレッドボードを繋ぐための内径18mmのホース
リード線 :色違いのものを2本
ICソケット :LEDを差し替えられるように
直流電源 :電圧8V以下の可変、電流1A以下
右の2本の電球は、上は透過型ケーラー照明用で、下が落射型照明用です。
電源は交流の電源は使えないので、ACアダプターなどに可変抵抗を組み合わせたり、直流電源を用意します。LEDは明るいもので、指向性は30度より広いものがよいです。
回路は右図のように簡単なものです。LEDとその電流を調整するための抵抗器R、そして、逆電流を制限するダイオードDを全て直列に配するだけです。組み立て方は隣の写真のようなものです。これに直流を通電すれば、最初の写真のようにLED照明が完成です。電源は交流を使用しないように注意してください。最悪、LEDやダイオードが破壊されます。