【ミクロトーム】


00093-01 生物顕微鏡は、高倍率になればなるほど、その焦点深度が浅くなるために観察しにくくなります。従って、薄い試料ほど観察に向きます。例えば、今まで顕微鏡で観察してきた花粉や口腔上皮細胞などは100μm以下の大きさですので、数回焦点を動かすことで観察できます。しかし、植物の葉や茎等の厚い試料の断面を観察するためには、薄い切片を作る必要があります。そのためには、ニワトコの髄や人工ピス、ミクロトームなどを使用して薄い切片をつくります。右の写真は簡易ミクロトームと人工ピス、そしてかみそりです。

00093-03 ここでは、サザンカの葉の横断面のプレパラートの作り方を例にミクロトームを使ったプレパラートの作成方法をご紹介します。
①サザンカの葉を採取します。
②人工ピスとかみそり、水を入れたシャーレ(小皿)を用意します。ミクロトームがあれば用意します。無くても練習すれば薄い切片を作ることができます。
③サザンカの葉を適当な大きさに切り取ります。葉の中心にある葉脈の中心を含むように真ん中くらいをかみそりで切り取ります。かみそりはなるべき切れるものを使用します。さもなければ、切り取るときに組織を押しつぶしてしまうからです。
④人工ピスの中央に縦に1cm程度の深さの切込みを入れます。
00093-04⑤写真のように人工ピスの切り込みに切り取ったサザンカの葉を挟み、人工ピスからはみ出た葉をかみそりで切り取ってしまいます。

⑥ミクロトームが無い場合
 この場合は、葉を挟んだ人工ピスを葉と一緒に薄く切り取ります。何枚も切り取り右の写真のようにシャーレの中の水に浮かべます。

00093-05⑦ミクロトームがある場合
 この場合は、ミクロトームのメモリで試料の厚さを決め、左の写真の様に試料をせり出して、人工ビスと葉を一緒に薄く切り取ります。何枚も切り取り上の写真のようにシャーレの中の水に浮かべます。

00093-06⑧このようにして作成したプレパラートがこの写真です。
撮影データは
 対物レンズ オリンパス Ach x4
 接眼レンズ 無し
 カメラ   *ist D
 SS=1/80 ISO=200
 1.0158 μm/ピクセル
です。

( 2007年04月24日[火] )

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