分光器を作って分光しよう


【分光器の作り方】

【はじめに】
  分光器ってなんでしょう?皆さんは、虹を見たことがありますよね。虹は太陽の光が空気中の水蒸気によって屈折を受けたい用の白い光が赤から紫まで分けられるて見られます。これは、自然が作る分光器です。このように光をいろいろな色の光に分解することを分光といい、分光するための装置を分光器といいます。
 その他にも世の中には光を分光する分光器は色々あります。理科で習うものではプリズムがそうです。また、身近なものでは、CDやDVDのディスクが光を分解します。もし、今手元にCDやDVDがあれば、光にかざしてみましょう。虹が見えますか?分光できてますね。
 ここでは、分光器を作って色々な光を分光してみましたので、ご紹介します。

【分光器の作り方】
imgp0833CDを利用した反射型分光器
 CDを利用した反射型分光器は簡単に作成することができます。
1.用意するもの
 材料は右の写真にあるように、CD(捨てても問題の無いもの)、菓子箱(箱の大きさは適当でよいです)、アルミホイル(写真ではアルミテープ)、はさみ(カッター)、両面テープです。

cd2.作り方
 左の写真のように菓子箱の正面にスリット用の穴を開けます。その穴と90度異なる面に観測用の穴を開けます。スリット用の穴の正面に適当な大きさにきったCDを両面テープで貼ります。また、スリット用の穴にはカッターで切り込みを入れたアルミホイルを貼ります。なお、アルミホイルの切り込みの方向とCDの筋の方向は同じ方向にします。
 左の写真をクリックすると拡大されるので確認してください。

2.観察方法
 スリットを分光したい光源に向け、観測用の穴から覗きます。そうすると、下の写真のようにスペクトルを観察することができます。
 imgp0864
CDがあれば簡単に作れるので、皆さんもやってみましょう。

シート型(透過型)回折格子を使用した本格的分光器
 シート型(透過型)回折格子を使用すると本格的な分光器を作ることができますが、ここでは、シート型(透過型)回折格子は理化学機器店などで販売されています。
 作り方はいたって簡単です。上のCDを用いた反射型分光器と同じように、菓子箱の片面にシート型の透過型回折格子を貼り対面する面にスリットになるような細い切れ込みを入れたアルミホイルを貼るだけで、簡単に作れます。観測面はシートの位置です。注意しなければならないのは、先程のCDの反射型分光器の場合はスリットと90度の面が観測面ですが、シート型(透過型)分光器の場合はスリットと反対の面が観測面になることです。
spectrometer1 しかし、私は、写真撮影をすることを考えたため、もうちょっと工夫しています。使ったものは、左の写真おとおりです。
1.スリット
 黒いプラスチックの板を円形に切り、一部切り欠きを作ります。アルミホイルをその切り欠きより大きめに切り、カッターナイフで中央に切込みを入れます。これを先ほどのプラスチックの板に貼ります。高い分解能を望まなければ厚紙にカッターで切込みを入れただけのスリットでもOKです。
2.黒い筒
3.透過型回折格子
 黒いプラスチックに四角い穴を開け、その長手がスリットです。、透過型の回折格子(1000本/mm) を使いました。スリットの長手方向に回折格子の格子方向を合わせます。虹の線がスリットと一致するようにします。
4.黒い筒
 これらを組み合わせて、カメラに取り付けられるようにしました。出来上がりの写真は右上の写真です。写真をクリックすると拡大されるので、確認してください。上の図で、大体作り方がわかるっと思います。写真のように箱の両端にスリットと回折格子をつけた簡単な分光器でもちゃんと見ることができます。

 このようにして作成した分光器で撮影した蛍光灯のスペクトルです。蛍光灯は中に水銀が入っていて、アーク放電により、水銀が発光し、253.652nmの紫外線を放出します。その紫外線が蛍光物質に当たって、色々な色を出しています。この蛍光物質の違いによって蛍光灯の色彩を変えています。

sp3sp4

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

 このホームページは、小学生や中学生、そしてそのお父さんお母さんたちが、身近な動植物や星、太陽や月を観察したり、どこの家庭にでもあるような道具を使用して実験したり、ちょっとした工夫で科学がとても楽しくなるような、そういうホームページを目指しています。夏休みや冬休みの自由研究や科学実験の参考になれば幸いです。