今まで自宅サーバーに使用していた富士通のFM-V Loox P70XNが重くなってきたのでPanasonicのLets’Note CF-S8に変更しました。Wordpressは機能は高く、使いやすいのですが、ページが大きくなりMySQLのデータベース量が大きくなると高いマシンスペックを要求するようです。旧サーバのFMVは2014年に設定したのですが、わずか3年お命でした。新サーバーのLet’sNoteもノートPCですが、そのスペックの違いを表にしてみると
FMVLP70XN | Let’sNote CF-S8 | |
発売時期 | 2007年9月 | 2009年9月 |
元OS | Windows Vista® Home Premium | Windows7(R)Professional |
CPU | CoreTM2 Solo U2200(1.20GHz) | CoreTM2 Duo P8700(2.53GHz |
システムバス | 533MHz | 1066MHz |
チップセット | 945GMS Express | GM45 Express |
メインメモリ | 1GB | 4GB |
と倍以上違います。
1.Vine Linux 6.5のインストール
で、まず、Let’s Note CF-S8に Vine Linux 6.5 をインストールします。FMVLP70XNはVine Linux6.3でしたので、OSのバージョンも上がっています。なお、Let’s Note CF-S8にFMVLP70XNの環境を移行することから異なるIPで同じネットワークに接続できるようにしておきます。
2.ユーザー環境の作成と環境の移行
次にユーザー環境を作成します。前の環境をそのまま引き継ぐので、同じユーザー名・同じパスワードで作成します。そして、FMVLP70XNのユーザー環境をLet’s Note CF-S8に移行します。
環境の完全移行はWordpress環境も丸ごと移行します。そのためにlftpコマンドを使用します。
Let’s Note CF-S8のWine Linuxのコンソールからlftpを以下のように起動します。
>lftp FMVLP70XNのIP -u FMVLP70XNのユーザID
そして
ローカルファイルをディレクトリ構造毎ftpサーバーにアップロードする場合は以下のような感じ。
lftp>cd サーバディレクトリ
lftp>lcd ローカルディレクトリ
lftp>mirror -R
逆にディレクトリ構造毎ftpサーバーからローカルにダウンロードする場合は以下のような感じ。
lftp>cd サーバディレクトリ
lftp>lcd ローカルディレクトリ
lftp>mirror
で丸ごとコピーできます。ただしこれだけでは、隠しファイルはコピーできないので、lftpの起動後に、おまじない
lftp>set ftp:list-options –a
をしておきます。
これで、ユーザー環境とWordpress環境はコピーできました。
3.Apacheの設定
今度は Apache2の設定です。Vine LinuxにはもともとApache2がインストールされているので、設定のみ行えばよいです。FMVLP70XNの環境をそのままLet’s Note CF-S8に移すので、FMVLP70XNの/etc/apache2/conf/httpd.confを、そのままLet’s Note CF-S8にコピーしてしまいます。
4.PHP5のインストールと設定
WordPressを動作させるのにはPHP5とMySQLが必要なので、まず、Let’s Note CF-S8にPHP5の必要なパッケージをインストールします。そこで、「システム」→「システム管理」→「Synaptic パッケージマネージャ」を利用して検索でPHP5を検索して、必よなパッケージをインストールします。
そして設定ですが、こちらも前の環境をそのまま移すので、FMVLP70XNの/etc/php5/php.iniをそのままLet’s Note CF-S8にコピーしてしまいます。
5.MySQLのインストールと設定
こちらもPHP5と同様の方法で必要なパッケージをLet’s Note CF-S8にインストールします。で、こちらの設定はとりあえずはしません。なぜなら FMVLP70XNのデータベースのバックアップをそのまま移行するからです。
ただ、rootのパスワードだけは設定しておきましょう。
>mysqladmin -u root password xxxx
# mysql -u root -p
Enter password:xxxx
そして、FMVLP70XNに移って全データベースのバックアップを取ります。
# mysqldump -u root -p -x –all-databases >backup.sql
次に、Let’s Note CF-S8に戻って全データベースのバックアップのリストアをします。
# mysql -u root -p < dump.sql
これで、データベースの移行は済みました。
FMVLP70XNとLet’s Note CF-S8でデータベースなどの確認をします。
# mysql -u root -p xxxx
mysql>show databases ;
自動バックアップの設定
backupsql.sh(-rwxr-xr-x)を以下のように作成
#!/bin/sh
# バックアップファイルを何日分残しておくか(一ヶ月分)
period=31
# バックアップファイルを保存するディレクトリ
dirpath=’/home/www/backup/mysql’
# ファイル名を定義(※ファイル名で日付がわかるようにしておきます)
filename=`date +%y%m%d`
# mysqldump実行(ファイルサイズ圧縮の為gzで圧縮しておきます。)
mysqldump –opt –all-databases –events –u root –password=aka1961 > $dirpath/wp$filename.sql
# パーミッション変更
# chmod 700 $dirpath/$filename.sql.gz
# 古いバックアップファイルを削除
oldfile=`date –date “$period days ago” +%y%m%d`
rm -f $dirpath/wp$oldfile.sql
そして、これをcronに登録します。
# echo “0 3 * * * root ./backupsql.sh” > /etc/cron.d/backupsql
これで、毎朝3時にMySqlのデータベースのバックアップを作成できます。
5.その他の設定
DynamicDNSへIPアドレスの登録を自動化してくれるソフト「DiCE」のLinux版を自動起動できるように設定します。
# diced -d -l
そして、proftpdをVine Linux起動時に自動起動するように設定します。、「システム」→「システム管理」→「サービスの設定]でproftpdの自動起動を設定します。
以上で、完了!!
ということで、今日からLet’s Note CF-S8のサーバーが稼働しています。早くなったともいます。
6.IP切り替えメモ
IPの確認
> sudo ipconfig
メインサーバーとサブサーバーのIPアドレスの切り替え方法
> sudo ifconfig eth0 inet 192.168.0.xxx netmask 255.255.255.0 up
ただし、コマンドで設定しただけでは再起動後に設定が破棄されてしまいます