科学のつまみ食い 雑記帳
久々に「科学のつまみ食い」らしい話題です。今年2009年7月22日は日本国内で皆既日食を見ることができます。ただし、残念ながら日本本土では部分日食で、屋久島では皆既日食が見られます。私の住んでいる水戸では食分0.719程度の部分日食です。9:57:22〜12:29:57の約2時間30分で最大食は11時13分46秒と予想されています。この日の晴天率は36.7%で、ちょっと低いですね。
ということで、まずは太陽を撮影してみました。
撮影情報は
カメラ PENTAX K10D
レンズ 300mm TAMRON A061
(AF 28-300mm F/3.5-6.3 XR DiLD Aspherical [IF] MACRO)
フィルター 太陽用ガラスフィルター
シャッター速度 1/180
絞り f=8
ISO 200
です。
1時間10分の撮影の軌跡
日食の撮影を連続的に自動で行いたいと考えています。そのためには赤道儀で追尾する必要があります。私が所有している赤道儀は天体望遠鏡Mead LX200GPS-30と、星野写真システム CD-1です。いずれもこの雑記帳で紹介していますので参考にしてください。さて、赤道儀の必要要件ですが、上の写真の様に300mmの望遠レンズで撮影するためにはCD-1ではちょっと荷が重いので、天体望遠鏡LX200GPS-30に同荷させることとしました。この赤道儀に乗せて、5分間隔で撮影を試みました。1時間10分で15枚の撮影を行いました。それを比較明でコンポジットして、この赤道儀でどのくらいずれるかを確認しました。それが、この写真です。少しずれていきますが、1時間10分ではカメラのファインダーから外れることはなさそうです。たぶん2時間30でも大丈夫そうです。なお、撮影情報は上の写真と同じです。
魚眼レンズで撮影
もう一つは固定撮影で周りの景色を入れたいのですが、日食の日が夏至から一ヶ月後の真夏であること、また、最大食が11時13分と昼ごろであることから、太陽高度が非常に高くなり、私の手持ちの広角レンズでは風景と太陽を同時に入れることができません。そこで、魚眼レンズを使って試し撮りをしてみました。それが、右の写真です。風景と太陽を同時に入れることが可能です。しかし、撮影情報を見て分かるように、絞るため、太陽に絞りの形の光跡がみられます。
撮影情報は
カメラ PENTAX *ist D
レンズ 10mm PENTAX DA FISH-EYE 10-17mmF3.5-4.5ED[IF]
フィルター 無
シャッター速度 1/500
絞り f=22
ISO 200
です。
ND-400
そこで、フィルターをかませて撮影しました。使用したフィルターはND-400です。このフィルターは光量を1/400にします。絞りでいうと9絞り分です。これをつけて撮影した写真が右の写真です。太陽は丸く写りますが、周りの風景が写りません。また、魚眼レンズにはフィルターをかますことができないので、大きめのフィルターを乗せているだけです。そのフィルターによるけられがみられます。上の風景の写真とこの写真をコンポジットする必要がありそうです。
撮影情報は
カメラ PENTAX *ist D
レンズ 10mm PENTAX DA FISH-EYE 10-17mmF3.5-4.5ED[IF]
フィルター ND-400
シャッター速度 1/640
絞り f=3.5
ISO 200
です。
残念な日食
今回(2009年7月22日)の皆既日食は、トカラ諸島でも曇り、部分日食が見られる日本各地でも曇りのところが多く残念な結果になりました。水戸も小雨や曇りで、私は撮影を断念しました。雲の隙間から見られたところもあったようですが、一瞬だったようで私は見逃してしまいました。早々にあきらめて、NHKの海上と硫黄島からの日食の特集をTVで見ていました。
次回、日本で見られる皆既日食は26年後の2035年9月ですが、これは関東地方でも皆既日食として見られそうです。それまでにも国内では部分日食として見られる皆既日食や金環食はあります。科学のつまみ食いの日食の写真を撮ろうで紹介していますので、参考にしてください。実は来年は部分食がみられますが、日没と重なるようです。