科学のつまみ食い 雑記帳
ポタ赤CD-1の整備とともに、天体望遠鏡 Meade LX200GPS-30の整備も始めています。2011年2月13日、約2年ぶりカバーを外し、望遠鏡諸々のチェック
●冷却CCDのチェック
撮像テスト、チェック完了。結露チェック完了。 -29℃で20分では、結露なし。-20℃で3時間冷却でも結露無し。
●望遠鏡コントロールのチェック
天体望遠鏡の赤道儀の動作は問題なく動き、PCからのコントロールも可能
●レデューサーチェック
0.67改造レデューサと0.5市販レデューサはピン出るが、冷却CCDまでのバックフォーカスがが長すぎるために0.33改造レデューサがピンでない。。
極軸調整
Mead LX200GPS-30の極軸調整。調整法を図で示しておく。
北極星が見えない場合(極軸望遠鏡がない場合)の極軸の合わせ方。
レチクル付きのアイピースを使用。通常は、タカハシ MC LG5mmを使用。これを使用すると、LX200GPS-30では600倍の高倍率になる。
◎水平方向のチェック
1.天の赤道上の南中1時間ほど前の恒星をレチクルの十字線に合わせ、ガイドせず(追尾のみ)そのまま数分待ち、南北(視野内で上下)方向のズレを確認。
2.図の様に極軸が西にずれている場合、即ち、南に向いた望遠鏡が東にずれている場合には、望遠鏡は恒星より早くに南中を迎える。このため、恒星が上昇、北に向かっているのに望遠鏡は水平に近く動くため、恒星は北に逃げていく。この場合には、望遠鏡を西に、即ち極軸を東に向きを調整する。このとき、視野内で恒星は中心より離れる方向に動いていく。
3.恒星の南北の動きがなくなるまで繰り返す。
◎高度のチェック
1.北東で高度45度より1時間ほど前の恒星をレチクルの十字線に合わせ、ガイドせず(追尾のみ)そのまま数分待ち、南北(スコープで上下)方向のズレを確認。
2.図の様に極軸が下にずれている場合、即ち、北東に向いた望遠鏡も下にずれている場合には、望遠鏡は恒星より早く45度に達する。このため、恒星が南に向かっているのに望遠鏡は垂直に上昇して動いていくため、恒星は南に逃げていく。この場合には、望遠鏡を上方向に、即ち高度を高くする方向に調整する。このとき、視野内では恒星は中心に近付く方向に動いていく。
3.恒星の南北の動きがなくなるまで繰り返す。
理論は置いておいて具体的な行動としては
◎水平方向のチェック
1.天の赤道上の南中1時間ほど前の恒星をレチクルの十字線に合わせる。
2.ガイドせずに南北(視野内で上下)方向のズレを確認。
3.恒星が逃げていく方向と同じ方向に更に逃げるように水平方向を調整する。
4.恒星の南北の動きがなくなるまで繰り返す。
◎高度のチェック
1.北東で高度45度より1時間ほど前の恒星をレチクルの十字線に合わせる。
2.ガイドせずに南北(視野内で上下)方向のズレを確認。
3.恒星が逃げていく方向と逆の方向に中心に近付くように高度方向を調整する。
4.恒星の南北の動きがなくなるまで繰り返す。
とりあえず、LX200GPS-30で20分追尾で7秒核の誤差までに追い込むことが可能。
オートガイドテスト
冷却CCD SBIG ST-2000XCMとMeade LX200GPS-30を使った撮像とセルフガイドのテストをM96を使用して行う。家の中からリモートデスクトップでチェックするがオートガイドのハンチングが大きく、赤経赤緯とも目標の0.5ピクセル以内を達成できず、5ピクセルくらいのガイドエラーがでる。
3月11日 東日本大地震発生から極軸再調整
極軸調整やオートガイドテストを行っていたが、この大地震で、赤道儀が台座から落ちてずれてしまった。3月13日に台座に乗せなおした。赤道儀が倒れずに望遠鏡などが破損しなかったのが幸いだ。その後、時間がなかったので、極軸調整をしていなかったが、4月1日に天体望遠鏡の極軸調整を行う。もちろん上で書いた方法。その後、眼視で土星観測。久々の土星。輪も縞も見えたが、コントラストはあまり良くない。衛星も二個確認。とりあえず、地震前の状態に復帰
IRフィルター除去 改造EOS Kiss X5
IRフィルター除去した改造EOS Kiss X5とSSAGを使った。同焦点合わせ。一応、写真のような感じ。これを使えば、LX200GPS-30の様に焦点距離が3000mmと長い天体望遠鏡でもある程度の高視野で撮影が可能なはずだ。
SSAG (StarShoot AutoGuider)
今まで、オートガイドというかセルフガイドを冷却CCD SBIG ST-2000XCMで行ってきました。しかし、上で述べたような一眼デジカメでは別途ガイド用カメラが必要です。以前はWebカメラを改造して使用していたこともありましたが、感度が悪いのとOff-Axisガイドではガイド性をうまく見つけられずにいました。そこで、感度の比較的良いSSAGを導入してみることにしました。このカメラの仕様は
センサー 1/2"フォーマット(6.66mm x 5.32mm) モノクロCMOSセンサー
画素数: 1,310,720画素(1280 x 1024)、ピクセル(μ) 5.2 x 5.2
フレームレート 15フレーム/秒、フル解像度
露出時間 0.05秒〜10秒
A/D変換 8ビット
PC接続 USB 高速2.0
重量 125g
オートガイド ST4互換
オートガイドソフト PHD Guiding
という仕様です。
SSAGとPHD Guidingの反応をあげるため、USB1.1のVaioにPCカードのUSB2.0を増設。レスポンスがすごく良くなり、フォーカス調整が実用的になる。しかし、USBハブを通すと遅くなるのは、ハブがUSB2.0対応でないため。また、SBIGの冷却CCDをPHD Guidingで使うとUSB2.0に対応してないために反応が遅い。
オートガイドテスト(4月1日〜)
SSAGを使用したオートガイドテストを撮像はKiss X5deM105を使用して行っているが、ガイドが非常に暴れ、恒星時追尾と変わらない結果で、3000mmの焦点距離では、1分の追尾が限度。South方向のキャリブレーションがうまくいかず、南北に流れることが判明。
ST2000XCMとLX200GPSでオートガイドのテストをした。ST2000XCMとステラギアの組み合わせの方が、SSAGとPHD Guidingの組み合わせよりもレスポスがいいがオートガイドはうまくいかない。
そこで、LX200GPSのDrive Trainingをしたが、SSAGとPHDGuidingでうまくいかない。どうも、LX200GPSのガイドポートが不良みたい。検証のためにST2000XCMとステラギアでLX200GPSのオートガイドテストしたが、うまく行かない。
SSAGやST2000XCMのオートガイド不良は接点の接触不良を疑って接点復活剤を買ってきて試す。一脚に上下方向、即ち南北方向にガタがあるのを発見し修正。
オートガイド成功(4月25日)
SSAGとPHD Guidingオートガイドテストで、結局ケーブルが不良であることが判明。この不具合が判るまで一カ月近くかkkてしまった
少し暴れてるが、40分以上のガイドに成功し、結局、曇ってガイド星を見失なうまでの約一時間のガイドに成功。パラメータ記録。南北のドリフトが少し大きいが極軸調整で直りそう。