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フクロワムシ ツボワムシ フタオワムシ ケンミジンコ ケンミジンコの雌(卵) ケンミジンコの幼生
ミジンコ ミジンコの正面 ゾウミジンコ ミジンコの卵 ケイソウ 不明

千鳥が池のプランクトン

by I-satto@03/06/16

顕微鏡写真

ケンミジンコ Cycropidae

 節足動物門 甲殻綱 橈脚目 の総称を一般にケンミジンコと呼び、その触角の長さの違いから、ヒゲナガケンミジンコ亜目、ケンミジンコ亜目、ツツガタミジンコ亜目に分類され、更に、科、属と分類されますが、ここでは全てケンミジンコとします。海水産のケンミジンコに比べ、淡水産のものは種類が少ないです。体は円筒状で節があり、頭部に1対の第一触角があります。後部は二股に分かれ、節が明確で5脚からなってます。発生は変体を伴い、幼生の分類は困難です。幼生も観察しているのでケンミジンコの幼生をご覧下さい。また、雌のケンミジンコが卵をぶら下げている姿も観察していますので、ケンミジンコの雌(卵)をご覧下さい。ところで、分類には第一触角、二股に分かれた脚、5脚、受精嚢等で分類されますが、ここでは、せいぜい亜目の分類にとどまります。

 T.W.氏より2002/11/16に頂いたコメントによれば、ケンミジンコの幼生はノープリウスからすぐに成体になるのではなくてコペポディド幼生(Copepodid)になり,さらに何回か脱皮して成体になるそうです。コペポディドと成体の形は似ていて、特に成体目前の幼生は、親とは全体の形からはほとんど区別がつかないそうです。従って 、ここにに掲載された写真の中の何枚かはコペポディド幼生が混じっている可能性があるとのことです。 卵を持ったケンミジンコはメスの成体だと判断しやすいが、他は難しいとのことです。

by I-satto@2003/07/01

 100倍(10X10)で撮影したケンミジンコです。ASA100のモノクロフィルムでシャッター速度は1/8秒です。後脚が曲がっていますが横から見た形なので、後脚以外の他の脚も見て取れます。第一触角が良く見えないので、亜目を分類することができません。第一触角が極端に短いのはツツガタミジンコですが、ツツガタミジンコは浮遊せずに泥の上を這うので、ケンミジンコだと思われます。大きさは幅が210μm、体長が898μmです。

 同様に100倍(10X10)、ASA100のモノクロフィルム、シャッタースピード1/8秒で撮影したケンミジンコですこちらは、第一触角が明確に見えています。第一触角が体調の半分程度なので、いわゆるケンミジンコでしょう。後肢が二股に分かれ4本のひげがあるのが確認できます。また、腹部の脚も確認できます。頭部に複眼らしきものがひとつ確認できます。体長は後肢のひげ先まで898μm、幅207μmで、上のケンミジンコとほぼ同じ大きさです。

 200倍と記録がありますが、(40X5)で200倍ならば、視野が狭くなるはずですので、100倍(10x10)で観察したケンミジンコだと思われます。ASA100のモノクロフィルムにて、シャッター速度1/8秒で撮影しています。頭部の左側に見えるのが第一触角だと思われますので、長さから見るとケンミジンコでしょう。ぴんボケですが後肢が二つに分かれ、ひげが生えているのが見えます。

 100倍(10X10)、ASA32のモノクロフィルム、シャッター速度1/2秒で撮影したケンミジンコです。第一触角が変形しているのがわかりますが、この変形から特定することはできません。ケンミジンコと思われます。後肢は二股に分かれています。体長は898μm、幅は165μmです。

 最初に述べているようにT.W.氏によれば、ここに掲載されているケンミジンコが成体であるかコペポディドであるかは、判断が難しいそうですが、これはオスの成体であるとわかるそうです。それは、第1触角の変形がキクロプス科のオス成体の特徴だからだそうです。

by I-satto@2003/07/01

 こちらは100倍(10X10)、ASA32のモノクロフィルム、シャッタースピード1/2秒で撮影したケンミジンコです。こちらも第一触角が明確に見えます。この長さからケンミジンコでしょう。後肢が二股に分かれ他の脚も確認できます。体長は後肢のひげ先まで823μm、幅180μmです。

 上の写真と同じく100倍(10X10)、ASA32のモノクロフィルム、シャッタースピード1/2秒で撮影したケンミジンコです。ピンぼけ気味の写真ですが、第一触角が確認できますこの長さからケンミジンコでしょう。後肢が二股に分かれ他の脚も確認できます。体長は後肢のひげ先まで748μm、幅165μmです。

 こちらも上の写真と同じく100倍(10X10)ですが、ASA100のカーラーフィルムでシャッタースピード1/60秒で撮影したケンミジンコです。ネガが残ってなく、モノクロの写真のみが残ってました。第一触角が確認できません。しかし、一番最初の写真で説明したように、第一触角が極端に短いツツガタミジンコではなく、ケンミジンコだと思われます。後肢が二股に分かれ他の脚も確認できます。体長は後肢のひげ先まで674μm、幅165μmです。

 こちらは150倍(10X15)ですが、残念ながら撮影時の記録が残っていません。上の写真と同様に第一触角が確認できませんが、ケンミジンコでしょう。後肢が二股に分かれ他の脚も確認できます。体長は後肢のひげ先まで551μm、幅136μmです。

 100倍(10X10)ですが、こちらも上の写真と同じく、残念ながら撮影時の記録が残っていません。こちらもケンミジンコでしょう。後肢が二股に分かれ他の脚も確認できます。体長は後肢のひげ先まで748μm、幅165μmです。


 

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