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【2003年8月10日】
これらは、いずれも2003年8月10日 21時28分から22時42分の間にデジタルビデオカメラを使用して撮影した火星です。この頃の火星は視直径23.6"と23秒を超えました。 この大きさは、1988年の接近以上の大きさで、今後2018年の接近でもこの大きさには達しません。また、光度も-2.6等星で、山羊座から水瓶座に移っています。上の2枚の画像は21時30分ごろの画像で、このときは雲がかかっていないので、明るく良い画像が取れました。下の2枚は、それから、ほぼ30分後と1時間後ですが、雲がかかっていたので、画像は荒く良くありませんが、自転しているのがよく判ると思います。上の写真からわかる範囲の火星の表面模様を説明しましょう。上の白いのが南極冠で火星の夏には消失することがあります。二酸化炭素が凍ったドライアイスでできてます。左側(東)の逆三角の薄暗い模様、丁度アフリカ大陸のように見えるのが大シルチスあるいはシルチス平原と呼ばれる部分で、小さな望遠鏡でも見える火星で最も目立つ部分です。その左隣の突き出た部分がチレナの海です。、この下の明るい部分がイシダス平原と呼ばれ2003年(今年)6月に打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関(ESA)の火星探査衛星ビーグル2号(Beagle2)が12月下旬に着陸予定の場所です。また、大シュルティスの上の明るく楕円状の部分が、ヘラスで、これは衝突クレータと考えられています。さて、中央下の明るい部分はアラビア地方と呼ばれ、多くのクレーターが存在するようです。この上の大シチルスと繋がっている暗い帯の部分はサビウス地域と呼ばれ、これも小型望遠鏡でよく見えます。この上にあるくらい部分はパンドラ海峡と呼ばれ、この二つにはさまれた明るい部分はデューカリオンと呼ばれています。さて、下の画像ではサビウス地域の端が移っていますが、これは、メリディアニ地域で、その下側はアリンの爪と呼ばれます。爪のように見えるでしょうか?そのアリンの爪の右側の薄暗いところはマルガリテフェル地方ともマーガレットとも呼ばれ、細い流水跡が途中で消えているので、昔には湖があった のではないかと言われていますが、残念ながらこの写真ではあまり詳しくは判らないですね。 |