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【土星 Saturn】
土星は、その環が特徴的で望遠鏡で最も観測してみたい惑星 の一つですね。この土星は ローマ神話のサトゥルヌスとされ、英語名のサターン(Saturn)がついたといわれています。キリスト教の悪魔であるサタン(Satan)と混同しないようにしましょう。ギリシア神話のクロノス(Kronos) とされることもあり、老年、時、死と結びつけられることも多いのですが、これは、時を表すギリシア語のクロノス (chronos) と混同されたことによると言われています。占星術では,土星は一般に不幸とゆううつを意味する惑星で、吉位にある場合はしんぼう強さや持続的なエネルギーを授け、凶位に立てば臆病、小心などの性質を与えるとされています。
土星の環を最初に望遠鏡で観測したのはガリレオですが、望遠鏡の分解能が悪かったため,土星の輪を土星の耳として記録しました。そののち、 ホイヘンスが土星の衛星タイタン(チタン)を発見し、その際に土星の耳が薄い平らな環であることを示したのです。この土星の輪は非常に薄いので、環が真横を向いたときは大きな望遠鏡でも見えないことがあります。
土星は1979年9月1日に惑星探査器パイオニア11号が表面から2万1400kmまで接近したのが最初で、80年11月と81年8月にはボエジャー1、2号がそれぞれ12万4000kmと10万0800kmまで接近してテレビ撮影など詳しい観測を行いました。これらの観測で、惑星本体の自転が10時間39.9分で、それまで、地球からの模様の観測による自転周期は赤道付近の模様の動きから求めた10時間14分より中緯度の模様の動きから求めるた10時間39分に近いことが判りました。また、表面の雲付近の温度は−176℃で、雲の成分は上のほうでは固体のアンモニア、下の方では硫化アンモニウムと水(氷)と考えられています。固体アンモニアの雲の大気圧は0.4〜1.2atm で地球とほぼ同じくらいと考えられています。大気は水素、ヘリウムを主成分として、その他にメタンなどの炭化水素が含まれているといわれています。
【土星観測】
土星の観測でも、 できるだけ高い倍率を使用するのは惑星の鉄則です 。衝の頃に100倍くらいで観測すれば、月ぐらいの大きさに見えます。その環にはカッシーニの隙間と呼ばれる、細い隙間があります。また、環は土星の赤道面にありますが、その環の傾きは次第に変化していきます。この変化は、土星の公転軌道に対して環(赤道面)が傾いているために起こるので、公転周期と同じ29.5年周期で変化します。この変化を観測していくのも面白いかもしれませんが、30年かかってしまいますね。さて、土星にも木星と同じように縞模様がありますが、それはかすかなものです。シーイングのよいときに見ることができるでしょう。
土星にも衛星 がありますが、そのうち、タイタンは窒素の大気を持つことが知られています。太陽系の中で唯一大気を持つ衛星で、8等星くらいですから、60mm以上の口径の天体望遠鏡があれば、観測することができるでしょう。