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by I-satto@07/02/22

 

【木星 Jupiter】

 木星は太陽系最大の惑星で、ギリシア・ローマ神話の神々の王であるゼウス(ギリシア神話),ユピテル(ローマ神話)と同一視され、その英語名ジュピターが冠されたといわれています。占星術では幸福の惑星とみなされ、吉の位置にある場合は長寿・栄誉・率直・博愛・賢明・正義の性質を。逆に今日の位置にあるときには、妄想・うぬぼれ・虚栄心等を示すとしています。木星を最初に望遠鏡で観測し、4個の衛星を発見したのはガリレオですが、これが地動説を裏付ける形となったのは有名です。

 木星の探査の最初は1972年の木星探査機パイオニア10号で、73年12月に木星から13万kmを通過し、300枚以上の木星とその衛星の写真を送ってきました。このパイオニア10号はスイングバイ(木星通過の際の木星重力場によえう加速)により、83年6月には当時(1979‐99年の期間)、太陽系のもっとも外側にあった海王星の軌道を通過して、初めて太陽系を脱出した人工物体としても有名です。木星に関する詳細な観測を行った探査機は1977年に発射されたボエジャー1号2号です。ボエジャー1号・2号が送ってきた木星表面と衛星の鮮明な画像により、帯状に流れ,渦を巻きつねに変化する木星大気や、周辺に反時計方向に回る雲をもつ大赤斑のありさまが明らかにしたほか、衛星についての多くの情報も得られました。

 

 

【木星観測】

 では、実際の観測はどうしたらよいでしょう。 できるだけ高い倍率で見るのは惑星の鉄則ですが、 木星は惑星のなかで最も観測しやすい星です。明るさは最も暗いときでも-1等星を超え、最も明るいときは-2等星に達します。外惑星で転周期が12年もあり動きが遅いため、同じ星座に長く見えています。木星の見かけの大きさも最大で1.7倍の変化しかしないので、夜に見えていればいつでも観測の対象になります。最も視半径の大きい衝の頃は、40倍くらいでも眼視の月と同じくらいに見えます。この様に結構大きいためよく見えるので、高倍率も必要ですが、それよりもシーイングに注意しましょう。

 さて、木星で最初に注意を引くのは、その縞模様大赤班ですね。模様の大きなものは40mm程度の望遠鏡でも見ることができます。木星の縞の変化からや大赤班の位置の変化をスケッチしたり、写真に取ったりしましょう。木星の自転速度は10時間くらいですから、写真やスケッチは手早く仕上げる必要があります。しかし、15分に1回スケッチや写真を撮ることができれんば木星の展開図も描けます。

 次に、ガリレオが発見した衛星です。木星の衛星は命名されているものだけで16個ありますが、そのうちガリレオ衛星の名で有名な4個の衛星は小望遠鏡でも観測できる絶好の衛星です。その4つのガリレオ衛星のデータを下の表に示します。

 

衛星名 軌道長半径(x104km) 公転周期(日) 半径(km) 平均等級
 Io (イオ) 42.16 1.769 1815 5
 Europa (エウロパ) 67.09 3.551 1569 5.3
 Ganymede (ガニメデ) 107.00 7.115 2631 4.6
 Callisto (カリスト) 188.30  16.689 2400 5.6

 

これら4つのガリレオ衛星は惑星自身を観測する場合と異なり、できるだけ低倍率で観測しましょう。衛星は木星の周りを左右に行ったりきたりして見えますが、これが木星の周りを回っている公転軌道です。この軌道を時間や日にちを変えて観測してみましょう。

 

 

 

 

 

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