【科学のつまみ食い】  プレパラートを作って観察しよう  花粉観察 の方法

プレパラートを作って観察しよう

by I-satto@09/01/18

花粉の観察

 

 

  ここでは、【花粉の観察方法】 で説明した方法で観察した色々な花粉を紹介しています。

 

 

サザンカの花粉 梅の花粉 ソメイヨシノの花粉 チューリップの花粉 キクイモの花粉
セイタカアワダチソウの花粉 pollen007 pollen008 pollen009 pollen0010
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桜(ソメイヨシノ)の花粉(膨張型)
撮影データ   採取日時:2006/04/09
対物レンズ:PlanApo x10 接眼レンズ:FK x6.3
カメラ:*ist D SS:1/100 ISO:200 アダプタ:125mm
撮影倍率:0.1138μm/pix
 
  こちらは近所に咲いてる桜(染井吉野)の花粉の写真です。2006年4月9日採取しグリセリンゼリーで封入した膨潤型の花粉です。大きさは直径が30μm強の三角形で、その頂点が薄く破れたような形になっています。これは、梅の花粉に似た形です。桜の果実は通常利用しません。ちなみに、さくらんぼうは別で、これは西洋実桜の果実を食べるので、日本の桜の果実は利用されません。その代わり、葉は塩漬けにして桜餅に、花も塩漬けにして桜湯にします。日本で桜といえばこのソメイヨシノですが、これは、オオシマザクラエドヒガンとの雑種で、木の生長が早いですが、寿命は短く、40〜50年くらいで花を咲かせる盛りが終わるといわれています。ソメイヨシノは春に葉が出る前に開花し、左の写真のように淡紅色の五弁の花を咲かせます。幕末の頃、江戸染井の植木屋から売り出されたのでこの名があります。また、ソメイヨシノは結実しません。そのため、挿し木や接木、あるいは根から新しい幹が出て増えていきます。ということは、ソメイヨシノの遺伝子(DNA)は全て同じであるということです。即ち、日本全国何処のソメイヨシノも同一の固体(クローン)ということができます。従って、全てのソメイヨシノに個体差がありませんから、日本の季節の変化がそのままソメイヨシノの開花に繋がります。 ソメイヨシノは冬に最高気温が7度以下の低温の日が一定期間続くと花芽が休眠から覚めて、つぼみが成長を始めるといわれてます。この性質を利用して桜前線を予想するのですね。
 ところで、右の桜の花粉は上の写真のような三角形のものと右の写真のような丸い(三角形を丸くしたような感じ)ものが見られました。と、この写真のような三角形に近いものができたのでしょう?梅の花粉のような三角形のものを探し出しました。これは、同じプレパラートから観察したものですが、グリセリンゼリーの吸い込み方の違いではないかと推測しますが、定かではありません。

 

桜(ソメイヨシノ)梅の花粉(乾燥型)
撮影データ   採取日時:2006/03/25
対物レンズ:PlanApo x10 接眼レンズ:FK x6.3
カメラ:*ist D SS:1/80 ISO:200 アダプタ:125mm
撮影倍率:0.1138μm/pix
 
   さて、こちらの写真はカナダバルサムで封入した乾燥型の桜の花粉です。上の写真とまったく同じ花から採取した桜の花粉です。膨潤型・乾燥型を比べるとずいぶんと形が違うことが判ります。大きさは長手方向が30μm強程度のたる型に見えます。先の梅の花粉と比べると、乾燥型も膨張型も比較的にいますね。


 

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