結晶を作ろう
結晶の成長を顕微鏡で観察しよう
【結晶って】
先ほど作った結晶は形良くできましたか?上手に作れば結晶は同じ形で出来上がります。原子や分子同士の結びつき方が決まっているので、同じ形になります。このような結晶を単結晶といいます。ここでは、その単結晶のでき方を顕微鏡で観察してみます。
【用意するもの】
用意するものとしては、鍋、焼き明礬(ミョウバン)、そして、顕微鏡とスライドグラスです。あとは、スポイトか無ければストローがあれば良いです。顕微鏡の使い方は顕微鏡観察の方法を参考にしてください。
【結晶成長を顕微鏡で観察する方法】
ここでは明礬を例にして結晶成長の顕微鏡観察の方法を紹介します。まず、結晶成長を観察したい材料の飽和水溶液を作ります。ここでは、明礬や塩を使いますが、結晶になるものなら何でも良いです。では、「明礬の結晶を作ろう」の種結晶作りで説明したように、鍋に200cc程度の水を入れ火にかけて沸かします。火から下ろした鍋に明礬を溶けるだけ溶かします。明礬が完全に溶けて液が透明になったら少し冷ましてください。すると、鍋の底のほうに種結晶ができてきます。今回は、この種結晶を使うのではありません。その上澄み液である飽和水溶液を使用します。その水溶液から1滴ほどスライドグラスにたらします。スポイトがあればそれでも良いですし、無ければ、ストローの先をちょっと飽和水溶液につけて、ストローのお尻を親指で押さえれば、スポイト代わりになりますので、一滴とってスライドガラスにたらします(上手な人は箸で飽和水溶液を一滴取れます)。そしてすばやく顕微鏡に載せ顕微鏡で観察観察します。結晶は、垂らした飽和水溶液の表面にできてきます。これは、飽和水溶液の表面から水だけが蒸発し、だんだん濃くなって、飽和の限界を超えて、表面で結晶ができるからです。その結晶は流れて、垂らした水滴の端のほうに集まりますので、端のほうを注意深く観察してください。飽和水溶液の温度が高すぎると水の蒸発や、温度の低下が激しくて、結晶成長が早くなります。逆に、低すぎるとなかなか結晶ができません。更に、温度による溶解度の差によって結晶成長の速度が違います。たとえば、水にはあまり溶けなくてお湯に良く溶ける明礬は結晶成長が早く、水でもお湯でもあまり溶ける量が変わらない塩などでは結晶成長は遅くなります。色々な結晶を成長させその速度や、温度によるとける量の違いなどを調べてみるのも面白いと思います。
【明礬と塩の結晶成長の顕微鏡観察結果】
どちらも倍率40倍で観察し、ビデオで撮影したものを画像として取りこみました。ています。実視野が4.8mmですから、大体の大きさが判ると思います。一番最後に、そのビデオ画像を10倍の速度で再生する動画をあげて起きます。興味のある方はダウンロードしてご覧になってください。
明礬(x40) | 時刻(分) | 塩(x40) | |
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ビデオ画像のダウンロードはこちらからどうぞ、実際よりも10倍の速度で再生されます。したがって、明礬では3分ちょっとの映像を20秒で、塩では7分程度の映像を50秒で再生します。AVIファイルですが、高圧縮可能なMS-MPEG4 ver2を使用しています。もしご覧になれない方は、マイクロソフトのホームページよりダウンロードしてください。 |
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明礬の結晶成長
(MS-MPEG4 V.2 20秒 448kB) |
塩の結晶成長
(MS-MPEG4 V.2 40秒 801kB) |