【科学のつまみ食い】 明礬の結晶を作ろう 結晶の成長を顕微鏡で観察しよう

結晶を作ろう

明礬の結晶を作ろう

by I-satto@06/04/22

【結晶って】

 結晶というとダイヤモンドサファイアルビー等の宝石を思い浮かべる人も多いと思います。結晶というのは原子が規則正しく並んだ状態で、ダイアモンドは炭素(C)が、サファイアは酸化アルミニウム(Al2O3)が規則正しく並んで結晶となったものです。ちなみに、ルビーとサファイアは同じ物で、混じっている不純物が違うために赤くなっている結晶をルビーと呼びます。また、ダイアモンドと黒鉛も同じ炭素の結晶ですが、その結びつきが違うためにダイアモンドは輝く宝石として扱われ、黒鉛は黒い塊として宝石としては見向きもされません。美しい結晶のダイアモンドは宝石として扱われたり、その硬さのために、レコード針や、カッターの葉に使われたりします。またルビーやサファイアなどは不純物を混ぜてレーザーの結晶として使われたりもします。

 ここでは、ダイアモンドとかサファイアとかはできませんが、ミョウバン(AlK(SO4)2)を使って結晶を作ってみましょう.

【用意するもの】

 用意するものとしては、コップ竹串釣り糸接着剤、そして焼き明礬(ミョウバン)です。ここでは、ダイアモンドとかサファイアとかはできませんが、ミョウバンを使って結晶を作ってみましょう.

 材料

 左上が、釣り糸です。化学繊維でできていて吸水性の無い物が良いと思います。木綿糸などは向かないです。左下が、接着剤です。ここではアロンアルファを使用しました。真中は竹串です。なければ割り箸でも十分です。そして右側が焼き明礬です。スーパーなどに売っています。

【準備】

 竹串や割り箸に釣り糸を縛り付けます。糸に巻癖がついていれば、なるべく取っておきましょう。

【種結晶作り】

 まず、明礬の種結晶を作ります。なべに200ccほどのお湯を沸かし、焼き明礬を溶けるだけ溶かします。水溶液が透明になるまでかき混ぜます。もし溶けきらなければ、お湯を足してください。

なべ

 できた水溶液を冷ますと、鍋の底に、種結晶が出来上がります。ガラスの皿の上に少したらすと種結晶を見つけやすくなります。その種結晶を先ほど作った竹串に糸を縛り付けたものの糸の先端に接着剤で貼り付けます。結晶は大きなもののほうが速く大きくなりますが、小さなもののほうが形の良い結晶が出来上がります。

 

【結晶作り】

 さて、先ほどの水溶液には底のほうに種結晶が固まっていると思います。これは飽和水溶液といって、これ以上明礬を溶かすことができません。そこで、その飽和水溶液の中の種結晶が溶ける程度に再度、暖めてやります。今度は、直接鍋に入れないで、一度コップに入れて、それを湯煎しましょう。そうやって、明礬がすべて溶けきって透明になるまで、溶かします。そして、少し冷ましながら、コップの底に種結晶ができ始めたら、先ほど種結晶を貼り付けた糸のついた竹串をこの飽和水溶液に下の写真のようにぶら下げます。

コップで冷ます

 こうやって、一晩起きます。すると、暖かかった飽和水溶液は室温まで下がり、ぶら下げた種結晶が大きくなっています。しかし、コップの底にも種結晶が成長しています。このまま、今度は冷蔵庫に入れて冷やすと、さらに成長します。次に、竹串を取り除いて、この水溶液を再度湯煎し、コップの底についた種結晶を溶かしてしまいます。このとき必ず、竹串にぶら下がった結晶は取り除いてくださいね。また、溶けてしまいます。完全に溶けたら、最初に戻って、少し冷ましながら、コップの底に種結晶ができ始めたら、先ほど成長した結晶がぶら下がっている竹串をこの飽和水溶液にぶら下げます。このように

  1. 明礬を溶かした飽和水溶液を湯煎して作る

  2. 少し冷まして、コップの底に結晶ができ始めたら、糸にぶら下げた種結晶を入れる

  3. 一晩おく

  4. 冷蔵庫に入れる

  5. 成長した種結晶を取り出す

  6. 飽和水溶液を湯煎する

の繰り返し作業で明礬の結晶が出来上がります。

 

【明礬の結晶】

 3日ほど、上の作業を繰り返すと、1.5cmほどの明礬の結晶が出来上がりました。

結晶

どうでしょう?簡単でしょう?あなたも結晶作りをやって見ませんか?

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