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by I-satto@02/10/03
2000年5月15日に小学 3年生の女の子からご質問を頂きました.。
地球はなぜ同じはやさでまわっているのですか?
地球の回転といっても、自分自身が回転する自転と太陽の周りを回る公転があります。ここでは地球の回転を自転としてお答えしますね。 地球がどうして自転しているかは「科学のつまみ食い」のホームページの「どうして地球は自転しているの?」をご覧くださいね。
まず、運動をしているものは、その運動を止めようとしない限り、永久に動きつづ けるということをご存知ですか?転がっているボールは、摩擦力が無ければ永久に同 じ速さで動きつづけます。しかし、世の中にはいろいろな力が働いていて、運動を変
化(とめたり、曲げたり)させようとします。ですから、地球もそのような回転を止め ようとする抵抗(摩擦力)が働かなければ、永久に回りつづけます。
しかし、現実には地球の自転は次第に遅くなっています。どのくらい遅くなっているかというと100年で0.00148秒くらい遅くなっています。
今から10万年くらい経つと、一日の長さが1.5秒くらい長くなる計算になります。
では、どうして遅くなっていくのでしょう?これは、地球に対する太陽の潮汐力と いう力が摩擦力になって、地球の自転にブレーキをかけているのです。例えば、月が いつも同じ面を地球に向けているのも月に働く、地球や太陽の潮汐力のためです。詳しくは、「科学のつまみ食い」のホームページの「月の自転と公転周期が一致してい る理由 」にもかかれていますので、ここでは地球に置き換えて簡単に紹介します。
潮汐力自体についてはについては、「科学のつまみ食い」のホームページの 「若潮、長潮と月の関係は?」に簡単に説明してあるので参考にしてください。この潮汐 力は、地球に働いて、潮の満ち引きを起こしていますが、この力は月や太陽から受けていますが、どういう力かというと、太陽からの引力により地球の太陽に近い面は引っ張られます。逆に地球の太陽から遠いほうは遠心力で地球から離されます。この力は公転周期よりも速く自転している場合にはブレーキになり、公転周期よりも自転周期が遅ければ加速しようとします。そうして、ついには公転周期と自転周期はいっしょになってしまうのです。ということは、地球の自転周期は1日で、太陽に対する公転周期の365日より速いために、地球にはブレーキが掛かってしまいます。
同じようなことが他の星でも起こっていて、火星の2つの衛星フォボスとディモスも 月と同じように公転周期よ自転周期が一致していて、それぞれ0.319日、1.262日です。また、ガリレオが発見した有名な木星の衛星、イオ、エウロバ、ガニメデ、カリストも同じように公転周期と自転周期は等しく、それぞれ1.769日、3.551日、 7.155、16.69日です。他の惑星の衛星も公転周期と自転周期が一致しているものが多 いです。これらの惑星にある衛星は月と同じように何時も同じ面を母星に向けています。このように、自転周期は非常に長い時間をかけて公転周期と同じになっていくこ とでしょう。
わかりましたか? ここでは、「運動をしているものは、そのものに他の力が加わらない限り、その運動は変化しない(止まらない、曲がらない)。」ということと、「地球の自転は太陽や月の潮汐力が摩擦力になってブレーキがかかり、遅くなっている」、そして、「そのた め、地球の自転は100年間で、0.00148秒(10万年で1.48秒)遅くなっている。」ということを覚えて置いてください。」