若潮、長潮と月の関係は?
by I-satto@20 May, 1999
1999年5月11日 17:12に奈良県にお住まいの小学5年生の女の子から質問をいただきました。
小学5年生の理科で質問です。月の話で、若潮、長潮とは、どういう状態ですか。
さて、若潮、長潮ですが、もともとは海の干潮(の時(最も海面が低い)と満潮の時(最も海面が高い)の潮の高さの差から分類されていたもののようで、干満時の潮の高さの差が小さいほうから大きくなるにつれて小潮、長潮、若潮、中潮、大潮、と呼ばれていたようです。逆に、干満の差が大きくほうから小さくなる場合には若潮、長潮はありません。従って、小潮、長潮、若潮、中潮、大潮、中潮、小潮と繰り返されていきます。 ところで、お気づきのように潮の干満は月の満ち欠けと関係があります。それぞれの潮の呼び名と月と地球,そして太陽の位置関係、また、その時に見える月の形を左のアニメーションに示しました。(月齢やその位置関係は大体の目安です)アニメーションでは月は反時計回りに回っていますが、地球から見ると、太陽のほうが月より速く動いているのでこのようになります。日食を観測すると、月に太陽が追いついて、太陽が欠けていくのを見ても判りますね。ところで、それらを表にすると下のようになります。(こちらも大体の目安としてご覧下さいね) | |||||||||||||||||||||||||||||||
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ところで、どうして潮の満ち引きがおきるかというと、かなり専門的になってしまうので、ここでは簡単に説明しておおきます。 潮の満ち引きを引き起こす力を起潮力(潮汐力)といいます。起潮力は月と,地球,太陽と地球の引力、それに加えて地球と太陽、地球と月の公転運動(互いに互いの周りを回ってるんです)によって引き起こされる遠心力(ひもにおもりをぶら下げてぐるぐる回すと引っ張られますよね.そういう力です)によって、海の水が引き寄せられる力です。例えば、月から受ける引力や遠心力は地球の中心部ではほぼ等しいのですが、地球の表面では近いほうの力が強くなります。ですから、月の見えるほうでは、月からの引力のほうが月の周りを回る時の遠心力よりも大きくなります。また、逆に、月の反対側では遠心力のほうが大きくなります。これは,太陽から受ける引力や遠心力の場合にも同じことがいえます。しかし、太陽による起潮力よりも月による起潮力のほうが約2倍ほど大きいので月の影響のほうが大きくなります。このように起潮力は地球の表と裏側に起こるので、潮の満ち引きは地球の裏と表で同時に起こります。また、1日に2回起こ るのもこのためです。 これらのことか判るように、この起潮力は太陽と地球と月が一直線に並んだ時が最も大きくて、大潮となります。また、太陽と月が地球を中心に90度の角度をなす時が最小になり、この時に小潮となります。長潮,若潮はこの小潮の状態から,中潮へ向かう時のことを言います。 |