【科学のつまみ食い】 【毎月日食が起こらない理由】 【1997/03/09の部分日食】 【2004/10/14の部分日食】

日食の写真を撮ろう (1997/03/09の部分日食)

by I-satto@01 Jun, 1999
 1997年3月9日 午前10時ごろから起こった日食の写真を撮影しました。このとき観測されたのは部分食で日本全国で見られました。今後、日本で皆既食が見られるのは2009年の奄美大島と2035年の北陸、関東と数が少ないですが、部分食は結構見ることができます。最も近くで見ることができるのは2002年の金環食ですが、日本全国で部分食を観測することができます。今のうちからこのホームページを読んで心構えをしておけば、簡単に写真を撮影することができます。

【日食とは?】
日食というのは太陽と地球の間に月が入ったため、太陽が隠されて見える現象です。太陽の一部が隠される場合を部分食(部分日食)、全部隠される場合を皆既食(皆既日食)、月の周りに太陽の縁が輪のように見える場合を金環食といいます。

【日食の写真を撮ろう
さて、では日食の写真を撮ってみましょう。

【準備するもの】
  (画像をクリックすると拡大されます)
カメラ PENTAX SP2 一眼レフカメラが望ましいが、通常のカメラでもOK!!使い捨てカメラでも可能かも?ここでは旭光学社製の一眼レフカメラを使用しました。
使用したカメラ:旭光学 PENTAX SP
レンズ SMC 135mm + MC4 一眼レフカメラならぜひ望遠レンズを使用しましょう。もしなくても、プリントするときに写真屋さんでトリミングすればOKです。中心部分だけ大伸ばしにしてもらいましょう。
使用したレンズ:旭光学 SMC135mm + MC4 (2X TELEPLUS)
フィルター フィルター 太陽は明るいので、暗くしなくてはなりません。フィルターをつけないでファインダーを覗くのは危険ですからやめましょう。そのためにフィルターが必要です。カメラ用フィルターが使えない使い捨てカメラやデジタルカメラなどの場合にはカメラ用フィルターではなく濃い色のついたガラスやアクリル板でもOKです。ここでは茶色のアクリル板を使用してみました。
使用したフィルター:PL(偏光フィルター)+YS3(赤外吸収フィルター)+アクリル板
三脚 三脚 レリーズ もちろん必ず必要というわけではないですが、有ったほうが良いでしょう。ここでは簡単なミニ三脚を使いましたが、一脚でも可能ですし、シャッター速度が速いので手持ちでも可能です。
レリーズ 三脚と同じで必ずしも必要ではないですが、三脚に乗せるならレリーズは有ったほうがいいでしょう。もちろん無くても明るいので手ぶれが起こる心配はありません。
フィルム フィルム そして大切なのがフィルムです。っていっても、普通のフィルムで十分です。高感度でないほうが撮りやすいです。
使用したフィルム:Fuji HG ISO100


【日食の撮影】
カメラさて、撮影です。何もすることは無いです。写真のようにカメラを三脚に立て方向を定めて固定します。あとは、適当なときにシャッターを切りましょう。露光は暗めにしましょう。私が撮影した写真に露光のデータが書いてありますので、参考にしてください。なお、太陽も月も刻々と位置を変えていきます。それをきちんと追ってください。また、多重露光で幾つかの太陽を一枚のフィルムの上に撮るときには、望遠レンズではなく広角レンズで撮影したほうが良いでしょう。さらに、この場合には、露光は暗すぎるかなと思う以上に暗くしても大丈夫です。

【撮影した日食の写真】
撮影した日食の写真をここに並べます。3枚ともほぼ同じ状態でフィルターだけを変えてあります。簡単な方法で、結構良く撮れるものでしょう(^^)。
   (画像をクリックすると拡大されます)

sun1.jpg sun2.jpg sun3.jpg
こちらは偏光フィルターのみで減光しています。色jは正しい色を表示しているはずですが、f:22、S:1/1000でもまぶしいくらいです。 更に、モノクロ用の赤外線除去フィルターをつけたものです。色がオレンジになってしまいましたが、太陽の形が判るようになりました。 更に、茶色のアクリル板をかざしてみました、これで回りの光の輪がなくなり、太陽が月に隠されているのがはっきり判るようになりました、



【今後見られる日食】

下に最近起こった日食と今後起こる日食の表をまとめてみました。日本でみることのできる日食には

をつけてありますので、上に書いた方法を参考にして日食の写真を撮って見たり、さらに工夫して観測してみてはいかがでしょうか?

赤経の合(世界時) 日出時中心食 正午中心食 日入時中心食 種類
年 月 日 時 分 経度° 緯度° 経度° 緯度° 経度° 緯度° (皆既食最大継続時間 分)
1993 5 21 14 33.7 -- -- -- -- -- -- 部分食
1993 11 13 22 3.1 -- -- -- -- -- -- 部分食
1994 5 10 17 19.8 -146 14 -81 42 -4 32 金環食
1994 11 3 13 47.0 -97 -8 -31 -36 47 -32 皆既食(4.4)
1995 4 29 17 23.2 -137 -32 -81 -6 -23 -7 金環食
1995 10 24 4 22.4 51 35 110 10 172 6 皆既食(2.2)
1996 4 17 22 5.0 -- -- -- -- -- -- 部分食
1996 10 12 13 23.8 -- -- -- -- -- -- 部分食
1997 3 9 1 53.5 87 49 154 70 -158 83 皆既食(2.8)
1997 9 2 0 40.0 -- -- -- -- -- -- 部分食
1998 2 26 17 35.5 -144 -2 -81 6 -19 30 皆既食(4.1)
1998 8 22 2 14.0 87 -1 147 -4 -155 -29 金環食
1999 2 16 6 20.3 8 -42 88 -42 154 -14 金環食
1999 8 11 10 51.1 -65 41 19 47 87 18 皆既食(2.4)
2000 2 5 12 19.7 -- -- -- -- -- -- 部分食
2000 7 1 19 30.0 -- -- -- -- -- -- 部分食
2000 7 31 1 52.0 -- -- -- -- -- -- 部分食
2000 12 25 17 25.8 -- -- -- -- -- -- 部分食
2001 6 21 11 57.7 -50 -37 1 -12 55 -27 皆既食(4.9)
2001 12 14 20 44.8 176 30 -132 1 -76 14 金環食
2002 6 10 23 48.1 121 1 -177 35 -105 20 金環食
2002 12 4 7 38.6 -2 -4 63 -41 142 -29 皆既食(2.1)
2003 5 31 4 38.1 -21 62 -- -- (- 36) (+ 66) 金環食
2003 11 23 23 20.1 82 -52 -- -- (+ 15) (- 69) 皆既食(2.0)
2004 4 19 12 29.3 -- -- -- -- -- -- 部分食
2004 10 14 2 0.3 -- -- -- -- -- -- 部分食
2005 4 8 20 15.5 175 -48 -123 -16 -63 8 金環食ー皆既食
2005 10 3 10 10.5 -39 48 25 18 83 -10 金環食
2006 3 29 10 33.1 -37 -6 23 30 99 52 皆既食(4.1)
2006 9 22 12 7.0 -60 5 -4 -28 66 -53 金環食
2007 3 19 3 32.9 -- -- -- -- -- -- 部分食
2007 9 11 13 42.5 -- -- -- -- -- -- 部分食
2008 2 7 3 8.6 (- 73) (- 73) -- -- -135 -48 金環食
2008 8 1 9 47.2 -103 68 35 81 114 33 皆既食(2.5)
2009 1 26 7 46.2 -12 -35 67 -36 124 4 金環食
2009 7 22 2 32.8 71 20 143 25 -158 -13 皆既食(6.7)★
2010 1 15 7 20.1 16 7 72 4 122 37 金環食
2010 7 11 19 50.7 -171 -27 -116 -22 -71 -51 皆既食(5.3)
2011 1 4 9 15.0 -- -- -- -- -- -- 部分食
2011 6 1 21 21.8 -- -- -- -- -- -- 部分食
2011 7 1 9 5.3 -- -- -- -- -- -- 部分食
2011 11 25 6 31.1 -- -- -- -- -- -- 部分食
2012 5 20 23 58.9 109 21 179 50 -101 33 金環食
2012 11 13 22 17.8 133 -12 -158 -41 -80 -30 皆既食(4.00)
2013 5 10 0 19.4 119 -24 174 2 -127 -5 金環食
2013 11 3 12 38.5 -71 30 -14 4 47 7 金環食ー皆既食
2014 4 29 5 37.6 (+126) (- 72) -- -- 136 -69 金環食
2014 10 23 21 11.1 -- -- -- -- -- -- 部分食
2015 3 20 10 16.8 -46 54 28 85 99 89 皆既食(2.8)
2015 9 13 7 35.0 -- -- -- -- -- -- 部分食
2016 3 9 2 5.4 88 -2 151 12 -144 33 皆既食(4.2)
2016 9 1 9 17.8 -19 -3 41 -12 101 -36 金環食
2017 2 26 14 38.4 -114 -43 -36 -37 27 -11 金環食
2017 8 21 18 12.9 -172 40 -92 39 -27 11 皆既食(2.7)
2018 2 15 20 14.8 -- -- -- -- -- -- 部分食
2018 7 13 3 8.8 -- -- -- -- -- -- 部分食
2018 8 11 9 19.7 -- -- -- -- -- -- 部分食
2019 1 6 1 43.3 -- -- -- -- -- -- 部分食
2019 7 2 19 21.4 -160 -38 -109 -17 -58 -36 皆既食(4.5)
2019 12 26 5 14.2 48 26 101 1 157 19 金環食
2020 6 21 6 41.1 +18 +1 +80 +31 +148 +11 金環食
2020 12 14 16 17.8 -133 -8 -66 -41 +11 -24 皆既食(2.2)
2021 6 10 11 0.7 -89 +50 (-165) (+88) +157 +64 金環食
2021 12 4 7 55.8 -51 -53 (-121) (-79) -134 -67 皆既食(1.9)
2022 4 30 19 40.4 -- -- -- -- -- -- 部分食
2022 10 25 10 3.4 -- -- -- -- -- -- 部分食
2023 4 20 3 55.2 +64 -48 +121 -15 -179 +3 金環食−皆既食
2023 10 14 17 36.2 -147 +49 -88 +17 -29 -6 金環食
2035 9 2 1 43.3 80 38 154 31 -143 5 皆既食(2.9)★

 

この表の参考文献  :  cover  


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