【科学のつまみ食い】 2006年 2009年 2012年
空中花粉採取法 2007年 2010年 2013年
2008年 2011年 2014年
2009年の空中花粉
 

by I-satto@11/12/24

【花粉量のグラフ】


 ここに示したのは2009年の花粉の飛散状況を示したグラフです。横軸が月で、縦軸が1cm2あたりの花粉量です。 2008年の飛散量と比較すると若干減っていますが、2006年、2007年の花粉飛散量よりは増えています。

 

 今年は例年より杉花粉が現れるのが速いといわれています。既に2月13日には春一番が吹き、下の図にも見られるように花粉が大量に飛散し始めました。飛散量は1平方センチメートル当たり45個です。昨年の春一番は2月23日でしたので、1週間以上早い春いちばんです。

 
 

 

 

【トピックス】

春一番
 上に書いたように2月13日には春一番が吹き、45個の花粉が飛散しました。多くは杉花粉で、右の写真のようです。1平方センチメートル当たり1個以上の花粉が二日以上続けて飛散した日が花粉飛散日となります。今年は、1月22日になりますが、その後も大量の花粉が飛散することなく、この2月13日の春一番の時に大量の花粉が舞いました。これから、花粉の飛散が続く、花粉症の方にはつらい日々が続くことと思います。
撮影情報は
 対物レンズ Plan Apo10
 接眼レンズ FK6.7 (0.1138μm/pix)
 ISO 200  SS 1/30
です。
杉花粉の破裂
 さて、ご存知のように、杉花粉は水を含むと右の写真のように破裂します。目や鼻は湿っていますので、杉花粉は破裂し、その内容物がアレルギーを引き起こします。ニック気内容物ですね。
撮影情報は
 対物レンズ Plan Apo10
 接眼レンズ FK6.7 (0.1138μm/pix)
 ISO 200  SS 1/40
です。

325個/cu
  2月16日には300個以上の花粉が飛びました。写真は、なるべく広い範囲を撮影したものです。この日から、本格的に花粉が飛び始めました。
撮影情報は
 対物レンズ Ach4
 接眼レンズ FK2.5(0.7593μm/pix)
 ISO 200   SS 1/100
です。
 
513個/cu
 3月7日には2月16日の記録を超える500個以上の花粉が飛びました。私も鼻がぐずぐず、目がかゆく、花粉症のような症状が出ています。まだ、診察は受けていません。受けるのが怖いのです。
撮影情報は
 対物レンズ Plan Apo10
 接眼レンズ FK2.5(0.7593μm/pix)
 ISO 200   SS 1/100
です。
1000個/cuを超えました
 3月10日は1000個を超えました。今年のスギ花粉のピークは、この日でしょう。昨年は3月12日で、今年よりも多く1800個/cuもの花粉が飛んでいます。その前は2月23日(500個/cu弱)、更にその前は3月7日(200個/cu弱)で年々増えてきた花粉飛散量が去年でピークを迎え、今年から減っていくと考えてよいのでしょうか?
 とりあえずは、今年のスギ花粉のピークは去り、次はヒノキ花粉でしょう。その後一段落ですね。
撮影情報は
 対物レンズ Plan Apo10
 接眼レンズ FK6.7 (0.1138μm/pix)
 ISO 200   SS 1/40
です。
ヒノキの花粉
 そろそろ、杉花粉の季節も終わり、スギ花粉症の方はほっとしたことでしょう。しかし、これからは、ヒノキ花粉の季節です。ヒノキ花粉の糖蛋白はスギ花粉の中の糖蛋白の構造と良く似ているので、スギ花粉に反応する人は、ヒノキ花粉にも反応する事が多いといわれています。これを共通抗原性というそうです。ヒノキ花粉の飛散量はスギ花粉に比べれば、はるかに少ないですが、スギ花粉の反応が積算されてアレルギー反応が出るために、ヒノキ花粉症の人も多くなっているようです。
 右の写真は3月29日に観察したヒノキ花粉です。巣び花粉のような特徴的な突起物であるパピラがないこと、杉花粉に比べ、透明で内容物が良く見えることが特徴です。
撮影情報は
 対物レンズ Plan Apo10
 接眼レンズ FK6.7 (0.1138μm/pix)
 ISO 200   SS 1/30
です。
ヒノキの花粉
 これから杉花粉は終わり、ヒノキ花粉の季節が始まります。こちらは、4月6日に大量に飛散したヒノキの花粉群です。この日は149個/cu飛散しました。いずれも、パピラのないことからヒノキの花粉だと思われます。内容物もよく見えます。しばらくは、ヒノキ花粉が続きそうです。
撮影情報は
 対物レンズ Plan Apo10
 接眼レンズ FK6.7 (0.1138μm/pix)
 ISO 200   SS 1/15
です。
 
松の花粉
 こちらは上のヒノキ花粉と同じ日に採取された松の花粉です。この日は一個だけ観測されました。これから、松の花粉も増えるのでしょう。松の木が多いところでは、松の花粉が舞ったあとは車が黄色く染まってしまいます。洗車も大変ですよね。
撮影情報は
 対物レンズ Plan Apo10
 接眼レンズ FK6.7 (0.1138μm/pix)
 ISO 200   SS 1/6
です。
ヒノキ花粉が234個/cu
 今年のヒノキ花粉の最大飛散量は4月8日で234個/cuでした。右の写真のように大量の花粉が飛散しました。
撮影データは
  対物レンズ  PlanApo x10
  接眼レンズ  FK x6.3
  カメラ    *ist D
  SS 1/15
  ISO 200
  撮影倍率 0.1138μm/pix
です。
ブナ花粉
 こちらは4月15日に観測したブナ花粉です。この日は1.5個/cuのブナ花粉を確認しました。この日からブナ花粉が飛び始め4月23日には23個/cuのブナ花粉が飛んでいます。ちなみに、松花粉の飛散量もブナ花粉とともに増えています。4月15日に松花粉は0.3個/cu、4月23日には16個/cuの松花粉が飛んでいます。ヒノキ花粉は相対的に減ってきているようです。
撮影データは
  対物レンズ  PlanApo x10
  接眼レンズ  FK x6.3
  カメラ    *ist D
  SS 1/15
  ISO 200
  撮影倍率 0.1138μm/pix
です。

2009年5月13日の花粉採取

花粉採取で画像を張り続けるとページが重くなるので、分けました。実は5月13日は私の誕生日だったりします。この日は、234個/cuと大量の花粉が飛散しました。特に松の花粉が多く、64個/cu、その他にもブナの花粉や正体不明の小さな花粉も飛散しました。そこで、独立して5月13日の花粉を紹介します。

一般的な松の花粉
まずは、一般的な松の花粉です。
撮影データは
  対物レンズ  PlanApo x10
  接眼レンズ  FK x6.3
  カメラ    *ist D
  SS 1/15
  ISO 200
  撮影倍率 0.1138μm/pix
です。
 
ちょっと変わった松の花粉
こちらはちょっと変わった松の花粉です。ひょっとすると、松でないかもしれませんが、松の花粉の特徴の気嚢(きのう)がみられます。
撮影データは
  対物レンズ  PlanApo x10
  接眼レンズ  FK x6.7
  カメラ    *ist D
  SS 1/15
  ISO 200
  撮影倍率 0.1138μm/pix
です。
こちらも一般的な松の花粉
これもよく見るタイプの松の花粉です。このひは、上の二つを含め3種類の松の花粉を確認できました。
撮影データは
  対物レンズ  PlanApo x10
  接眼レンズ  FK x6.7
  カメラ    *ist D
  SS 1/15
  ISO 200
  撮影倍率 0.1138μm/pix
です。
 
見たことのない小さな花粉
何の花粉でしょう?小さな花粉で、ゲンチアナバイオレットで染色されない白い筋がみられます。今まで見たことがありません。ご存知の方はメールでお知らせいただければ幸いです。
撮影データは
  対物レンズ  PlanApo x10
  接眼レンズ  FK x6.7
  カメラ    *ist D
  SS 1/20
  ISO 200
  撮影倍率 0.1138μm/pix
です。
 
ブナの花粉
 さて、5月13日に観測された最後の花粉は、ブナの花粉です。小さな花粉と比べればかなり大きめです。
撮影データは
  対物レンズ  PlanApo x10
  接眼レンズ  FK x6.7
  カメラ    *ist D
  SS 1/20
  ISO 200
  撮影倍率 0.1138μm/pix
です。
 
 
6月11日に梅雨入り
 6月11日に梅雨入りしましたが、これは、梅雨入り直前の6月8日の花粉です。何の花粉かわかりませんがかなり大きい花粉です。直径は89.23μmで、周りに小さいな泡状の球のようなものがついています。この球状の物の大きさは6μm程度です。
撮影データは
  対物レンズ  PlanApo x10
  接眼レンズ  FK x6.3
  カメラ    *ist D
  SS 1/8
  ISO 200
  撮影倍率 0.1138μm/pix
です。
同じ日の松の花粉
 この梅雨入り前の6月8日は松の花粉も飛んでいます。さて、この松の花粉の中心部の球の大きさは、102μmで上の花粉の大きさより一回り大きいです。実は上の花粉は松の花粉の耳の部分、すなわち気嚢が取れてなくなったものかもしれません。
撮影データは
  対物レンズ  PlanApo x10
  接眼レンズ  FK x6.3
  カメラ    *ist D
  SS 1/13
  ISO 200
  撮影倍率 0.1138μm/pix
です。
8月11日の花粉
 8月11日に久々に大量のといってもスギ花粉時期ほどでは無く、高々13個/cu程度ですが、花粉が飛散しました。飛散した花粉は写真のように球状であまり特徴のあるかふんではありませんでした。この後、10月程度まで、この丸い花粉が時折見られました。
撮影データは
  対物レンズ  PlanApo x10
  接眼レンズ  FK x6.3
  カメラ    *ist D
  SS 1/30
  ISO 200
  撮影倍率 0.1138μm/pix
です。
 
10月17日の花粉
 今頃10月17日の花粉を観察しています。ギザギザの花粉が26個(8個/cm^2)ほど飛散していました。その後は、年末までほとんど花粉は飛散していません。合わせて、今年の花粉の飛散のグラフを最終更新しておきます。
撮影データは
  対物レンズ  PlanApo x10
  接眼レンズ  FK x6.3
  カメラ    *ist D
  SS 1/40
  ISO 200
  撮影倍率 0.1138μm/pix
です。

 
2009年の花粉採取終了
 これで、2009年の花粉採取を終了しました。

 

 



 

科学のつまみ食い