【科学のつまみ食い】 2006年 2009年 2012年
空中花粉採取法 2007年 2010年 2013年
2008年 2011年 2014年
2008年の空中花粉

by I-satto@11/07/17

【花粉量のグラフ】


 ここに示したのは2008年の花粉の飛散状況を示したグラフです。横軸が月で、縦軸が1cm2あたりの花粉量です。 矢印をクリックすると、その日の花粉の飛散状況のトピックスに移動します。2006年、2007年の花粉飛散量と比べると更に増えています。最大で20007年の3倍 以上の量の花粉が飛散していることがわかります。年々花粉飛散量が増加しているのは、花粉症の方々にはつらかったことだと思います。

 
 スギ花粉は前年の夏が暑く、その年の冬が寒いと、雄花が多く付き花粉が多く飛散するそうです。去年の夏はかなり暑く、今冬はかなり寒いです。この説による2008年の花粉の飛散量は2007年の3倍になるという予想がされていましたが、まったくその通りになりました。

 

 

【トピックス】

1月23日 スギ花粉初登場
 1月23日に今年初めてのスギ花粉を観測しました。グリセリンゼリーで中身がはじけているものもあります。去年は2月7日に確認したものを掲載しました。まだ本格的には飛んでいないようです。
 撮影データは
  対物レンズ Plan Apo10
  接眼レンズ FK6.7(0.1138μm)
  ISO 200  SS 1/20
です。
1月22日 飛散した五角形の花粉 ハンノキの花粉??
今年も五角形の花粉が飛んでいます。
 昨年と同様、今年も五角形の花粉が飛んでいます。この花粉は上のスギ花粉の前日の1月22日に確認したものです。
 ハンノキの花粉もこのような五角形をしています。もし、ハンノキの花粉であれば、1月〜4月位の間に飛散します。
 撮影データは
  対物レンズ Plan Apo10
  接眼レンズ FK6.7(0.1138μm)
  ISO 200  SS 1/30
です。

2月23日に春一番が吹きました
 2月23日に春一番が吹きました。2月21日から二日続けて1平方センチメートルあたり1個以上の花粉が飛散しましたので、今年の花粉飛散開始日は2月21日になります。春一番が吹いた2月その前日の23日は多くのスギ花粉が確認されましたが、右の写真は、2月22日に採取したスギ花粉です。
 撮影データは
  対物レンズ Plan Apo10
  接眼レンズ FK6.7(0.1138μm)
  ISO 200  SS 1/40
です。
 ちなみに、この春いちばんまでの間に飛散した花粉は五角形のハンノキらしい花粉が多数です。

3月11日 去年を越えました。
 3月11日、去年の一日の花粉飛散の最大量485個/cuを超えました。量は約3倍の1477個/cuです。今年の花粉採取の最初に去年の3倍くらいになるという予報が出ていましたが、まったくそのとおりになりました。去年の最大の飛散日は2月23日でしたが、今年は3週間ほど遅くなっています。しかし、これは爆発的な飛散です。右の写真は低倍率で撮影しています。矢印が約1mmなので、花粉の飛散量のものすごさがわかると思います。花粉症の方には非常にきつい年になっています。
 撮影データは
  対物レンズ Ach4
  接眼レンズ FK2.5(1.5359μm) 65mm
  ISO 200  SS 1/320
です。
3月12日 昨日を越えました
 昨日の飛散量を超える1720個/cuの花粉が飛散しました。非常に多い日が昨日今日と続きました。まだ、まだ続きそうです。私も目がかゆく、鼻水が出てきています。花粉症の症状が出てきているみたい。結構つらいですが、まだ耐えられます。なんか、病院にいって検査して花粉症と断定されると、症状がひどくなりそうな気がします(^^;;
 写真は、全体が見渡せるように低倍率で撮影していますが、昨日の写真よりは高倍率です。
 撮影データは
  対物レンズ Ach4
  接眼レンズ FK2.5(0.7593μm)
  ISO 200  SS 1/320
です。
3月21日のスギ花粉
 この写真は3月21日のスギ花粉です。
この日は今年3番目に花粉の飛散量が多い日でした。この日を境にスギ花粉は徐々に減っていきました。
 撮影データは
  対物レンズ Plan Apo10
  接眼レンズ FK6.7(0.1138μm)
  ISO 200  SS 1/40
です。
3月21日 同じ日のスギ花粉を別の接眼レンズで
 この写真は、上と同じ日の同じプレパラートの同じ場所を接眼レンズだけを変えて撮影したものです。ちょっと広い視野でみるためにためしに撮影しました。写真のデータには接眼レンズをFK6.7と書かれていますが、FK2.5を用いています。また、シャッター速度も1/40と書かれていますが、1/125です。相変わらずスギ花粉が多いですね。
 撮影データは
  対物レンズ Plan Apo10
  接眼レンズ FK2.5(0.3022μm)
  ISO 200  SS 1/125
です。
3月22日には梅の花粉も
 これは翌日の3月22日に採取した花粉です。ここ水戸では、梅が満開を過ぎたところです。桜はまだです。今年も空中花粉採取器で梅の花粉が採取されました。虫媒花である梅の花粉も満開時には風媒花のように風で飛ばされます。ただし、今年観察されたのはこの一個だけですが。。。。
 撮影データは
  対物レンズ Plan Apo10
  接眼レンズ FK6.7(0.1138μm)
  ISO 200  SS 1/10
です。
 ただし、梅の花粉ではなく、ブナ科の植物の花粉の可能性もあります。ブナ科の花粉も梅の花粉と同様、正三角形で頂点が白くなっています。

ちなみに我が家の梅の実
 我が家には梅の木がありますが、昨年は少なかったのですが、今年は多くの花が咲きました。今年は久々に豊作で鈴なりになっています。まだまだ大きくなると思います。この写真は5月7日に撮影した梅の実です。拡大してみると、梅の実の毛まで見えています。

梅酒造り
 梅雨入り前の風の強いときに青梅が何個も落ちました。仕方がないので、6月7日に梅の実を収穫しました。小型の段ボールに一杯取れました。数えなかったのですが、5kgくらいはありそうです。そのうち、20粒(全体の5%くらい!?)を確保して、残りは、妻の実家へさし上げました。というより、処分だったりして、残りは自宅で、梅酒造りです。
1.5Lの果実酒用の瓶に、水洗いした梅のへたを取って、ティッシュでよくまわりを磨いて、写真のように瓶に詰めます。通常は氷砂糖を500g程度入れるようですが、私は辛口好みなので、50gくらいです。砂糖は、少量でも入れたほうが梅のエキスが早く抽出できるようです。そして、果実酒用のホワイトリカーを1Lくらい入れて、冷暗所に保管です。
出来上がりは、3か月後くらいでしょうか?



4月12日のヒノキの花粉
 4月に入っ花粉の飛散量もめっきり減りました。ここ最近の花粉はスギ花粉の特徴であるパピラと呼ばれる突起物がないのでヒノキの花粉だと思われます。大きさは31μmで、上に示した3月21日のスギ花粉の大きさが、33μmであまり変わりませんが、通常ヒノキの花粉のほうが小さいといわれてます。
 撮影データは
  対物レンズ Plan Apo10
  接眼レンズ FK6.7(0.1138μm)
  ISO 200  SS 1/25
です。
4月20日の5角形の花粉
 4月20日に採取したものですが、過去2年間では気付かなかった五角形の花粉が舞っているようです。この日は十数個の五角形の花粉が採取されています。大きさは、五角形の一辺が約25μmのほぼ正五角形です。いったいなんの花粉でしょう?上で述べたハンノキの花粉でしょうか?他の日にはあまり観測されていませんので、風媒花ではないのかもしれません。
 撮影データは
  対物レンズ Plan Apo10
  接眼レンズ FK6.7(0.1138μm)
  ISO 200  SS 1/40
です。
4月20日の松の花粉
 この4月20日前後から、松の花粉が増えだしました。相変わらず、松の花粉は大きいですね。この花粉の中央の薄いい青に染まった球状の部位分の直径が76μmで、黒く染まった部分の直径が64μm、最も長い部分が121μmです。薄い青の部分にフォーカスを合わせているので、黒い部分はピンぼけになっています。
 撮影データは
  対物レンズ Plan Apo10
  接眼レンズ FK6.7(0.1138μm)
  ISO 200  SS 1/3
です。
4月28日のブナの花粉
 こちらは、日にちが代わって、4月28日の花粉です。三角形のブナ科の植物の花粉です。相変わらず松の花粉も飛散していますが、この日からブナの花粉も確認できています。その他に丸い花粉が飛散していますが、それは、ヒノキの花粉ではないでしょうか?さて、このブナの花粉の大きさは、正三角形の一辺が36μm、頂点の白い部分の切れ込みの深さは花粉の三角形の頂点から測ると7μmで、切れ込みの幅が11μmです。また、この三角形の横に見られる花粉は、同じブナの花粉が三角形の辺を向けているようです。その証拠に右上に白っぽい頂点部分が見えています。したがって、これから、ブナの花粉の厚さがわかります。この厚さは、もっとも厚いところで、29μm、白い三角形の頂点部分で、18μmくらいです。
 撮影データは
  対物レンズ Plan Apo10
  接眼レンズ FK6.7(0.1138μm)
  ISO 200  SS 1/30
です。
 ちなみに、上で梅の花粉として紹介している写真と比べてください。上の梅の花粉をひょっとするとブナ科の花粉かもとしていますが、若干違うでしょうか? 
梅雨入りから梅雨明けへ
 今年は最大で1平方センチメートル当たり1800個弱の花粉を記録しています。もちろんスギ花粉です。2006年200弱、2007年500個弱に比べて圧倒的に多い飛散量でした。ここ水戸では6月2日に梅雨入りしてからはめっきり花粉の量が減りました。ちなみに、梅雨明けは7月19日です。
松花粉
 7月1日になっても、まだ松花粉が飛散しています。松花粉を最初に記録したのが4月12日ですから3ケ月近くも飛散しています。最も量は非常に少ないです。松花粉のピークは5月7日ころですが、今でも数日おきに数個見ることができます。これは、その7月1日観察した松花粉です。
ギザギザの花粉
 こちらも7月1日に観測した花粉で、ギザギザの花粉です。この小さなギザギザの花粉は5月後半から少しづつ見られたものです。過去にも似たような花粉が秋口に観察されていますが、時期が異なるので違う花粉でしょう。
久々の花粉採取-ギザギザの花粉
 久々に花粉が多く飛んでいます。7月以来、花粉の飛散量は減少し、1日1個/cu未満の飛散量で、時々8個/cu突発的に飛散します。9月に入ってから2〜3個/cuの飛散が続いています。しかし、右の写真で示すような星型ギザギザの花粉ではなく、丸い大小の花粉です。ここでは、9月13日に採取した星型ギザギザの花粉が採取されました。
この時期に松の花粉?
 11月5日には松の花粉が3個見られました。花粉の数は4個でしたので、単位面積当たりの花粉数は、1.23個で決して多くはないですが、松の花粉が飛んでいるのには驚きました。
32個もの花粉
 まだまだ花粉が飛んでいます。12月だというのに32個です。単位面積当たりでは、9.8個にも及びます。この時期にこの花粉の量、ちょっと異常です。
2008年の花粉採取終了
 これで、2008年の花粉採取を終了しました。

 

 



 

科学のつまみ食い