|
by I-satto@02/10/03
2000年4月21日に中学2年生の女の子よりご質問を戴きました。
そうだ!!
プレートって何でずれてもうひとつのプレートに入り込んでしまうのですか??
マグマのせい?
こんなわかりにくいことを答えられたらたいしたものです。
私はかなり表現力がないようです。
ご質問ありがとうございます。
まず、地球の内部構造をみてみましょう。下の図でわかるように、地球は半径が約6400kmほどあり、一番外側に地殻があり、その内側にマントル、そして地核があります。これは、地震波の伝わり方(速さ)から調べられています。
地殻は
地表からモホロビチッチ不連続面と呼ばれるマントルとの境界面までの固体部分で、地球の表層を形づくっています。その厚さは、大陸で30〜40km、海底では6kmといわれています。大陸の地殻は上下二つに分けられ、上部は花崗岩質の岩石で、下部は玄武岩質の岩石から成ります。また、海底は斑糲岩質岩石から成ると考えられています。
マントルは
地殻の下(モホロビチッチ不連続面)から深さ約2900kmまでの部分をマントルといい、カンラン岩を主成分とする固体であると考えられています.いわゆるマグマではありません。マントル対流説というのを聞いたことがあると思います。これは、1930年頃イギリスのホームズによって提唱され、地質学的には非常に長い時間をかけてゆっくりと動いていると考えられています。
地核は
地球の中心核で、地球内部の約2900kmより深い部分にあります.鉄やニッケルなどからなり、液状の外核と固体状の内核とに分けて考えられています。しかし、これがマグマの実態ではありません.
マグマは
地下に生ずる高温で溶融状態の岩石です。地下は内部に行くほど高温であると考えられ、内部に存在する岩石の一部分が溶けて液体状になっていると考えられます.冷却・固結すると、種々の火成岩となります。
これで、地球の内部構造が大体わかったと思います.
では、プレートはというと
プレートは上のように地震波の伝わりやすさから分けたのではなく、単に地球の表層を形づくる岩石の層のことを言います.地殻と上部マントルの一部とからなり、大陸・海洋など地域によってその厚さが異なりますが、概ね70〜200kmでリソスフェアとか、岩石圏、岩圏とか呼ばれます。ちなみに、そのプレート(リソフェア)の下部にある部分をアセノスフェアと呼び、上部マントルの中で、地震波の伝播速度が小さく、流動性に富んだ軟らかい部分があります。このアセノスフェアの動きによってプレートが移動します.
ところで、プレートは下図に示すように大小12個のプレートでモザイク状に敷き詰められています。それぞれ、アフリカプレート、南極プレート、アラビアプレート、オーストラリアプレート、カリブプレート、ココスプレート、ユーラシアプレート、北アメリカプレート、ナスカプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート、南アメリカプレートと分けられていて、それぞれの端がぴったりくっついているのではなく、上下に重なっています.例えば、日本の東側にある日本海溝はアジアや日本が乗っているユーラシアプレートの下に太平洋プレートがもぐりこんだものと考えれています。これは、マントルの対流(流れ)によるものと考えられています.
さて、日本で起こる地震の原因の一つとしてこのマントルの対流により太平洋プレートが引きずり込まれ、それに引きずられるようにして、更にユーラシアプレートも引きずり込まれ、ある時引きずり込まれた部分が反動で元に戻って地震が起こるともいわれています.これは、プレートテク二クスと呼ばれ、各プレートの動きを定量的に扱って地震や山脈、海溝がどのようにしてできたかを地球的規模で統一的に理解しようとするものです。大陸移動説や海洋底拡大説をさらに体系化した理論で、1960年代後半から急速に発展しました。
これで、プレートというのが判りましたでしょうか?