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by I-satto@04/08/06
2001年4月11日に小学3年生の女の子のお母さまからご質問を頂きました.。
40代の主婦です。最近、素朴な疑問をもったので、ネットで検索してましたら、このページにたどり着きました。
日本からヨーロッパへ行くのに同じ航空会社の同じルートで往復すると、行きと帰りの飛行所要時間が一時間差があります。私は、ずっと風の関係(向かい風と押し風)と思ってたのですが、ふと、地球の自転との関係ではないかと思いつきました。
実際のところはどうなのでしょうか。
ぜひ、教えてください。
メールありがとうございます。
現在多忙のため、質問コーナーは一時休止しておりますが、簡単に答えられますので、お返事を差し上げました。
これは、直接自転の影響ではなく、偏西風のためです。
ところで、地球の自転による赤道直下の地表の速度を計算してみましょう。地球の半径は6378kmあります。すると赤道での円周の長さは 2πr ですから、約40000kmになります。さて、地球は24時間で一周しますから、なんと時速1670kmほどで回転していることになります。これは、音速よりも早いのです。秒速460mです。もし、人間が0.1秒間ジャンプできるとしたら、ひとっとびで、46mも飛んでしまいます。走り幅跳びの世界記録です。実際にはそんなことはありませんよね。それは、自転による回転力は既にジャンプする前から働いているからです。そのためにジャンプしても同じところに戻ってきます。飛行機の場合もまったく同じです。
自転による回転力は既に、離陸前に飛行機に働いています。これは、行きも帰りも同じで、地球の自転方向にはじめからj働いているため、離陸後も地球と同じ方向に回転します。従って、飛行機が行きと帰りで時間hが異なるのは、直接自転の影響ではありません。
さて、ここで直接自転の影響ではないと書いたのは、間接的に地球の自転によるからです。それは、偏西風の起こる理由のひとつが地球の自転によるためです。
従って、まとめますと、「飛行機が飛んでいる間に地球が回るという直接自転の影響を受けることはないが、地球の自転に一因がある偏西風のために飛行機の行きと帰りの時間が異なる」ということになります。