【科学のつまみ食い】  
デジタル通信とアナログ通信の違いは?

 

by I-satto@02/10/03

2000年4月05日に男性の方からご質問を頂きました.

初めまして。初めてこのホームページを拝見いたしました。では早速質問をいたします。
なぜ、デジタル通信とアナログ通信があるのでしょうか?デジタルとアナログの区別が正直言ってよく分かりません。良かったら分かりやすく説明して下さい。
お願いします


まず、アナログとデジタルの違いを簡単に説明しますと。
アナログ:連続的に変化する量
デジタル:離散的に変化する量
で、連続的(つながっている量)か、離散的(とびとびの量)ということです。これでもちょっと判りにくいと思います。
 大雑把に説明します。例えば、10という数字を伝えることを考えます。
 アナログ通信の場合は10という数値をそのまま10Vの電圧で伝えます。非常に簡単ですね。
 デジタルの場合は、10という数値を例えば2進法(2を基数とした数の表記法で、数字1と0とを使って、2づつまとめて上の位に上げていく数の表し方です。例えば、10進法で表された2,3,4,5は2進法では10,11,100,101となり、コンピューターなどに利用されている方法です)「1010」とあらわして、1を10V、0を0Vと表して,1秒おきに下の位から0V、10V、0V、10Vと電圧の変化で伝え、受け側では5V以上の電圧を15V以下の電圧を0と判断することによって、「1010」と受信し、2進法から10進法へ変換すると10というもとの数値を受信したことになります。ちょと面倒ですね。 この2つの例を図で書くと下のようになります。

 では、なぜ、こんな面倒なデジタル通信が使われるのでしょう?。例えば、上の図を見てください。10という数値を電気を使って伝える時に、途中でノイズが入ったらどうなるでしょう。例えば伝送途中に電磁場を発生するものがあったとか、電波の場合なら懇親していたとか、何らかの理由で2〜3Vのノイズが入ったとします。
 アナログ通信では受け側では8Vの電圧を受信することになりますね。そうです。送信側が10という数値を送ったのに、受け側ではノイズのために8と判断してしまいます。
 では、デジタルの場合はどうでしょう。10V、0V、10V、0Vを送信して8V、2V、12V、3V、と受信しますが、5Vより上を1、5Vより下を0と判断しますから、「1010」となり、10進法へもどすと、ノイズの影響を受けることなく、10という数値が伝わります
 このように、値を、0と1などのようにとびとびの数値の組み合わせで表す方法がデジタルで、値をそのままの量として扱うのがアナログです。

 例えば、電話などの場合は音声を波形で伝えますが、この時、音声の波形をそのまま伝えるのがアナログ通信で、デジタル通信の場合は、音声を0と1などのように符号化して送ります。アナログがノイズの影響を受けやすく、デジタルは受けにくいのですが、アナログのほうが単純でデジタルのほうが複雑な作業をしなければなりません。


 

 

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