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by I-satto@04/05/03
2000年3月14日に中学2年生の女の子からご質問を頂きました.。
色によって洗濯物の乾燥速度が違うのですか。一番早く乾く色は何色ですか。一番遅く乾く色は
何色ですか。虹の色の順番と関係ありますか教えてください
2003年8月22日に女子中学生から、この実験方法について、ご質問を頂きましたので、文末に追加しました。
色によって洗濯物が乾く速度が違うかどうか?
どうして疑問に思ったのでしょう?
洗濯物を干していてそう思ったのでしょうか?
それで何色が速く乾きましたか?
面白いですね。一緒に考えてみましょう。
暖かいと洗濯物は速く乾きますね。寒いとなかなか乾きません。また、雨の日はなかなか乾きませんが、晴れた日速く乾きます。そうです。既にお気づきだとは思いますが、洗濯物が乾くのは温度と湿度によりますね。ですから、洗濯物を速く乾かそうと思えば乾燥した暖かいところで干せば良いわけです。
ところで、洗濯物が乾くというのは
1.周りの空気に温められて、洗濯物の温度が上がり水分が蒸発していく。
2.乾燥した周りの空気に、水分が逃げていく。
3.太陽などの光で、洗濯物が直接温められて水分が蒸発する。
等の主に3つの理由が考えられますね。この中で色と関係が深いのは3番であることはすぐにわかりますね。
ということは、「太陽の光で温まりやすい色は何色か?」ということになります。
ところで最初に光の色について考えてみましょう。上の図のように人間の目で見える光は可視光といい、虹の色の順番と同じように赤(800nm)、橙、黄、緑、青、紫(400nm)という具合に波長が短くなっていきます。赤より波長の長いほうには赤外線、もっと長いほうは電波が、紫より波長の短いほうに紫外線が、もっと短いとX線やγ線があります。これら赤外線や紫外線、X線やγ線や電波は目に見えない光です。この光の中で赤外線(特に遠赤外線)が最も物を温める作用が強いのです。ですから、赤外線を最もよく吸収する色の物が温度が上がりやすく速く乾くということになります。
では、今度は光の色ではなくて、物の色を考えて見ましょう。我々に見えている物の色というの反射する色が見えているのです。例えば白い色というのはすべての色の光を反射するので白く見えます。逆に黒い色はすべての色の光を吸収するので黒く見えます。青い色の服は青い色を反射します。赤い色の服は赤い色を反射します。ということはすべての色を吸収する黒(赤外線も吸収するが最も温まりやすく、すべての色を反射する白(赤外線も反射する)が最も温度が上がりにくいことが判ります。ところで、大雑把に言えば、赤い服は赤以外のすべての色を吸収しますし、青い色は青い以外のすべての色を吸収します。ですから、赤い服と青い服ではどちらが光を多く吸収するかということは一概に言えません。ただ、同じ色でも明るい色(薄い色)の場合には光を多く反射しているので暗い色(濃い色)よりも温まりにくいことは言えます。
ということで、洗濯物が乾く早さは色の種類よりも色の濃さによって違い、濃い色のほうが速く乾き、薄い色のほうが乾くのが遅くなります。最も速く乾くのは黒で、最も乾くのが遅いのは白でしょう。
もうちょっと光の話をしましょう。
赤外線はものを暖める作用が強いため、熱線と呼ばれることもあります。目には見えませんが、皮膚にあたると暖かく感じられます。赤外線を出すものは身の回りにはたくさんあって、温度の高いものは大体赤外線を出します。コタツや電気ストーブの他、物が燃えると赤外線を出します。また、暖かくは無いですが、TVやビデオの赤外線リモコン、また、人間も赤外線を放出しています。
紫外線は化学作用があるので化学線と呼ばれることもあります。日焼けは、太陽の光の中の紫外線が皮膚にあたって、黒い色素ができるために起こります。強い紫外線は、生物にとっては有害で、オゾンホールの問題は聞いたことがあるでしょう。オゾンホールができて、太陽の中の紫外線を吸収できなくなり、地上まで大量の紫外線が届いてしまうために人間に悪影響を与えます。また、この効果を殺菌に使っている場合もあります。紫外線を放出するものも身近には結構あって。肉屋さんにある殺菌灯や電気溶接の火花とか不通の蛍光灯なども弱い紫外線を出したりします。(かんてい)等に利用)
紫外線はシャツ一枚などで簡単にさえぎることができますが、赤外線はさえぎられにくいので、シャツを着ていても温かく感じたりします。
こんばんわ。埼玉県に住む中3女子です!科学のつまみ食いを拝見してメールさせていただきました。
色によって洗濯物の乾き方が違う?というのを題材に今年の自由研究をやろうと思っているのですが・・・。残り少ない日数でいい実験の仕方を教えて下さい!また、実験をしない場合のまとめ方もお願いします!できれば今日か明日にはお返事がほしいです!
夏休みも、もうあとわずかですし、天候の良い日もなかなかないので、洗濯物の乾き方の違いを見るのは難しいですね。
まず素材集めですが、素材は、同じ材質で、色の違うものを集めることです。手ぬぐい、フェイスタオル、ハンカチ、等で同じ材質で、色違いのものを集められると良いでしょう。
集められない場合は、白いタオルを、染物用の染料で染めてしまうこともできますが、時間がかかりそうですね。
色は、白、黒、その他はお好きな色でよいでしょう。
そして、同じ条件でぬらします。水分の含有量が同じであることが望ましいので、水分計などがあればよいですが、普通はありませんので、素材を水につけて、絞らないで、干すと良いでしょう。絞ると絞り方で、水分の量が変わってしまいますからね。
そうして、1時間おきに濡れ具合を見てみましょう。
実験をしない場合は、乾き方、色について、熱とは、光とは、色による光の吸収とは?色々事典などで調べてみましょう