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by I-satto@02/10/03
2000年3月16日に中学2年生の女の子からご質問を頂きました.。
ブラックホールの中はどうなっているの?
ブラックホールの中がどうなっているかというのは非常に難しい問題です。なぜなら、ブラックホールの中を見ることができないからです。
では、どうしてブラックホールは見えないのでしょう?
ブラックホールはご存知の通り、光も出さないし、光を反射することも無いのです。光だけでなく、エックス線や電波、その他のすべての物質をブラックホールの中心へと引っ張り込んでいくのです。そうして、ブラックホールの中に引き込まれてしまえば最後!! その中から出てくることはできません。しかし、ブラックホールの中に入ってしまわなければ、出てくることは可能なのです。従って、世界で最も優秀な望遠鏡などの観測装置を使っても直接ブラックホールを見ることはできません。しかし、ブラックホールの後ろにある星を観測し、光が曲がることを利用してブラックホールの存在を確認したり、ガスなどの物質がブラックホールに吸い込まれる時に光を出すので、その光を観測したりすることにより、ブラックホールの存在を確認することができます。
では、ブラックホールというのはどういうものでしょう?
難しく言うと、アインシュタインの一般相対性理論の重力場の方程式に対する厳密解のひとつにシュバルツシルト解(半径)があります。このシュバルツシルト半径内にある空間の物質は強い重力場のために、内部で発生した光やシュバルツシルト半径内にある物質はそのシュバルツシルト半径よりも外に出ることができません。そこで、このシュバルツシルト半径内の空間(場、物質)をブラックホールと呼びます。このブラックホールの中心には、密度が無限大で、時空のゆがみも無限大、しかし体積がゼロの「特異点」と呼ばれる領域があります。このシュバルツシルト半径はドイツの天文学者シュバルツシルト(Schwarzschild)が発見しました。このシュバルツシルトが発見したブラックホールが最も単純な球対象のブラックホールで、ブラックホールの内側から外側へ出て行くことができない事象の地平面と呼ばれる球面で囲まれています.この事象の地平面は上に書いた通り、どんなものでも、たとえ光でも、内側からは外側へ行くことができない一方通行です。例えば、星(重力場)から外へ出る時には脱出速度を計算しますが、この脱出速度が光速度になる面と考えればよいでしょう。このシュバルツシルト半径Rは質量をM、光速度をc、万有引力定数をGとする時、下の式であらわされます。
R=2GM/c2
G=6.673x10-11 Nm2/kg2
c=2.99792458x108 m/s
とすれば、
R=1.485x10-27 M
非常に簡単な式ですね。要するに、このシュバルツシルト半径内がブラックホールなのです。
さて、判りやすく簡単に説明すると
ブラックホールは密度が大きすぎて(体積が小さくて、質量が大きい)、光さえ放出することができない星なのです。その、ブラックホールの半径と質量には上のシュバルツシルトの式の関係があるのです。
ところで、この式は上に書いたように、質量Mの物質のシュバルツシルト半径ですから、例えば、大人の人間のシュバルツシルト半径とか、地球とか、太陽とかを計算することができます。
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質量 |
シュバルツシルト半径 |
大人の人間 |
60kg |
8.9x10-26m |
地球 |
5.97X1024kg |
0.0089m=0.89cm |
太陽 |
1.989X1030kg |
2950m=2.95km |
では、ブラックホールはどのようにしてできるのでしょう?
星は色々変化していきます。太陽やその他、夜空に輝く星は色々な一生を終えます。特にその星の重さ(質量)によって、その一生は異なります。例えば、太陽の質量のおよそ1/10より小さい星は太陽のように自分自身で輝くことはできません。従って、太陽系の惑星のように光を反射するだけの星となりその一生を終えます。太陽の質量の1/10〜4倍程度の星は太陽のように輝きますが、最終的には白色矮星と呼ばれる地球程度の直径で、太陽程度の質量をもつ水の数万倍の高密度の白色光を発する恒星として一生を終えます。しかし、太陽の質量の4〜8倍の星は、超新星爆発を起こします。しかし、その後、粉々に砕け散って後に何はがすだけが残り、星としては存在しなくなります。そして太陽の質量の8倍より大きな星が超新星爆発を起こしたときに、中性子星やブラックホールとなります。特に質量の大きな星(太陽の質量の10倍以上)が超新星爆発を起こすと、縮退圧その他いかなる圧力によっても自分自身の重力を支えることができなくなります。その為に中心に向かって無限に崩壊してしまう重力崩壊
が起こり、その結果、ブラックホールが誕生します。
では、具体的にブラックホールは何処にあるのでしょう?
太陽の質量の9倍以上ある白鳥座X−1はブラックホールだろうといわれていますが、まだ完全には証明されていません。
ブラックホールに関する解説書はいろいろ出ていますので、一度読んでみると面白いと思います。