フィルムカメラで固定撮影したオリオン座の写真を掲載します。
これは1999年9月10日午前4時5分から4時20分にかけて撮影したもので、f=55mm(F=1.8)の標準レンズとFuji Super 400 (ISO400)を使用しました。このオリオン座の星野写真ではオリオン座の星座の形がわかるように最初13秒間露光して星の点像を撮影し、次に5分間レンズの前に黒い袋をかぶせることにより、星像が写らないようにし、その後黒い袋を取り払い最後の10分間で日週運動で流れる像を撮りました。簡単に言えば、B(バルブ)でシャッターを開け、13秒経ったらレンズに黒い袋をかけ5分後に袋をはずして、10分後にBをとじたということです。従って、全ての星の像が、点の後に日週運動の線が見えています。また、星の色がそれぞれ異なり、白かったり赤かったり黄色かったりするのがわかりますね。ちなみに、下の写真は星座と恒星を解説した写真です。左上の赤い星がベテルギウス、右下の白っぽいですが実は薄黄色の星がリゲル、真中に三つ並んでるのがオリオン座の三ツ星、この三ツ星の真下にやはり三つの星が並んでいて、その中央がオリオン座大星雲です。この星雲は望遠鏡でないと良く見えませんね。ところで、なぜ13秒かというと星を点像に移すための露出時間で示した式からフィルムの場合の素子サイズを0.05mmとして計算すると、13秒が星が点に見える露光時間であることがわかります。これ以上長い時間露光すると、点ではなくなってしまうからです。また、この写真の限界等級は10等星のはずですが、そこまで暗い星がうっつっているでしょうか?
下の写真は1999年11月5日午前3時8分から3時28分にかけての20分間、f=28mm(F=3.5)の広角レンズ用い、Fuji SuperG ACE 800( ISO800)で撮影したオリオン座の星野写真です。先ほどのf=55mmで撮った写真よりも明るく、色も鮮やかですし、暗い星まで良く映っているようです。f=55mmの写真では日週運動で流れる星はほぼ直線になっていますが、こちらは広角レンズで撮っているので、湾曲しているのが見えます。オリオン座の三ツ星の付近がちょうど点の赤道にあたるので、ここを境に写真の上のほう(天頂方向)は下に凸になっているのが判ります。逆に、写真の下の方は上に凸になっていることが判ると思います。ところで、上のf=55mmで撮影した写真はオリオン座を撮影する目的で撮ったものですが、このf=28mmの写真は実は目的はオリオン座ではなかったのです。実は10月15日~11月30日はおうし座流星群が現れる次期で、1999年は11月3日頃に極大を迎える予定でした賀、この日はおきることができなくて、結局2日後の11月5日にオリオン座を背景におうし座流星群が撮れるといいなと思い撮影したのですが、残念ながら流星は写っていませんでした(^^;;流星の写真は流星の写真を撮ろうで述べたように2等星以上の明るい流星でないと撮れません。背景のこのオリオン座の写真の出来が比較的いいだけに非常に残念です。ところで、この写真の中央の上端に移っている赤っぽい星はおうし座α星の1等星のアルテバランで、ヒヤデス星団を構成しています。