2003年8月25日の火星


Meade LX200GPS-30 (Alt/Az)
Vixen LV5
   Panasonic NV-DS7 (F=1.4,S=1/60,+18dB)
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 これらは、いずれも2003年8月25日 21時から23時の間にデジタルビデオカメラを使用して撮影した火星です。この頃の火星は視直径25.1″です。光度は-2.9等星で 非常に明るいですが、今回も残念ながら雲が多く、雲の合間からの撮影です。それぞれの画像の滑らかさや色合いの違いは画像処理の 違いによります。画像処理はなかなか難しいですね。今回はなるべくどぎつくならないように自然な感じを心がけましたが、まだまだです。今回も自転が確認できますね。 今回の火星は、8月22日の画像が右へ少し回った状態に当たります。上の写真からわかる範囲の火星の表面模様を説明しましょう。 特に一番上の右側の写真と一番下の左側の写真が一番判りやすいと思います。上の白いの は今まで何度も説明した南極冠です。右側の薄暗く二つに分かれている部分の上側はヘスベリア平原と呼ばれる場所で、、8月22日の画像では中心に見える部分です。その下はキンメリア地方と呼ばれるクレーター地帯 で、更にその下の明るい部分 はアエテリア地方、その少し左側はエリシウム平原でいずれも8月22日の画像でも確認できます。その下には、更にユートピア平原が広がり、ヴァスティタス・ボレアリス北極冠と続くはずですが、裏側になるので、北極冠は見えませんね。南極冠のすぐ下の薄暗い部分はオーストレール平原で、火星に水が存在した太古には氷床が存在したと考えられています。このオーストレール平原の下の右側に見える部分はヘラスから続くプロメテウス地方で多くの衝突クレーターがあるのは、8月22日の画像で説明しています。その左端には1971年5月19日に打ち上げられた旧ソビエト連邦のマーズ2号が同年11月27日に軟着陸を試みましたが、失敗しています。キンメリア地方から続く薄暗い眼のような部分はシレーン地方(サイレナム地方)で火星の眉ともよばれる暗色の地域で、クレーターが多く分布します。2003年7月7日に打ち上げられたアメリカのマーズ・エクスプロレーション・ローバが2004年1月4日に軟着陸し、火星の地質などを探るための装置として、パノラミックカメラ、鉱物を調べるためのメスバウワー分光計やエックス線スペクトロメータなどが搭載されています。また、このすぐ左上のほうには1971年12月2日に旧ソビエト連邦のマーズ3号が軟着陸に成功していますが、その後連絡が途絶えてしまっています。シーレーン地方の下に広がる明るい部分はアマゾニス平原です。この様に、この面の火星は望遠鏡ではっきり観測できる模様が少なく、あまり魅力的ではないかもしれませんね。

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