レポート内容 ぼくは放射線をはかっていろいろな分かりました。 |
解説
これらの測定で判ったことをまとめてみましょう。
①地域による放射線の違い (旅行先の旭川と自宅のある水戸市の違い)
旭川市(地上)
0.041±0.0082μSv/h (0.36mSv)
水戸市(地上)
0.032±0.0044μSv/h (0.28mSv)
で水戸のほうが放射線量が少ないことがわかります。カッコ内はこれを年間放射線量に換算しています。これによると、最初のぼくとはかるの夏休みに述べたように地面から受ける放射線量が年間約0.34mSvというのとほぼ一致します。また、関東は関東ローム層により放射線が低くなっていることも、旭川と水戸の放射線量の比較で判ります。
②土壌等による影響 (海上であるフェリー上と旭川や水戸などの地上の違い)
太平洋(海上)
0.012±0.0045μSv/h (0.11mSv)
フェリー上で測定した放射線量は上のように①地域による放射線の違いと比べてみると判りますが、海上の放射線量がはるかに低いことがわかります。年間で、0.2mSv以上の放射線を土壌から受けていることがわかります。海上で受ける放射線はほとんどが宇宙線によるもので、土壌から受ける放射線は最初のぼくとはかるの夏休みで述べたように40Kやその他に、核燃料となるU(ウラン)や核原料のTh(トリウム)等の自然放射性物質によるものです。
③コンクリートの影響
水戸市(コンクリート上)
0.039±0.0069μSv/h (0.34mSv)
①地域による放射線の違いの水戸市(地上)と1mも違わないほぼ同じ場所で測定した放射線量は 、平均で0.007μSv/h、同時刻での測定の差の平均では0.059μSv/hと明らかに、コンクリート上のほうが放射線は強く現れています。これは、コンクリートに含まれる砂利や石、岩石などには、U(ウラン)やTh(トリウム)やそこから生まれるRa(ラジウム)やRh(ラドン)等のような放射性物質が土壌より多い比率で含まれるために、土壌に比べて放射線が強くなっているのです。コンクリート自身は放射線の良い遮蔽体として使われますが、それ自身にも多くの放射性物質が含まれていることがわかります。
④天気の影響
天気の影響について言及はしていますが、きちんとまとめられていません。そこで、測定データを基に考えて見ましょう。
自宅では、ほぼ毎日、ほぼ同じ時刻(午前8時頃)に測定していますが、
天気 | 日数(日) | 平均放射線強度(μSv/h) |
晴れ | 26日 | 0.031±0.0046 |
曇り | 4日 | 0.032±0.0055 |
雨上がり | 1日 | 0.028 |
であり、統計上優位な差が出ていません。従って、上のレポートにあるように、天気に関係ないというより天気との関係は判別できなかったというのが正しいでしょう。
ちなみに、雷の日に測定したデータは20:30~24:00頃までのデータで、その平均は0.044±0.0080μSv/hであり、ばらつきは大きいですが、上の晴れの日の平均よりも明らかに高いということが判ります。更に、この日の朝の8:00頃の測定データは0.032μSv/hであり、やはり、雨が降っている間は高いということがわかります。
一般的に、雨が降ると空気中に存在するRh(ラドン)が降雨とともに地上に降り注ぎます。従って、雨が降っている間は放射線量が高くなります。しかし、このRh(ラドン)の半減期は38日と短いのと、水とともに流されてしまうので、いつまでも地上にとどまっていることはありません。
⑤最後に
今回の測定では多くのデータを取っていますが、小学5年生のため「まとめ方」、「考察」が足りないのが残念でした。