ケーラー照明


microscope【顕微鏡の照明方法】
 顕微鏡観察 、特に生物顕微鏡による透過照明による観察は照明が重要になります。
  もっとも簡単な方法は右の写真によるようにミラー(反射鏡)による自然光源を利用した照明です。この自然光源は環境によって変化することと、大光量を得ることが難しいという欠点があります。
  これらの欠点は人工光源を使用することにより克服できます。人工光源で最も簡単なのはミラーによって蛍光灯や電球の光を集める方法があります。これと同様の方法で下の写真のようなビルトイン型の簡易照明などを利用する方法もあります。しかし、これimgP5456らの照明方法は顕微鏡で観察する部分以外も明るくしてしまうため、対物レンズに無駄な余計な光が入るため、コントラストが悪くなるという欠点があります。また、赤外線なども集光するため試料上に熱焦点がくるため、試料が熱くなり、このため、生体試料などの生きているものには悪影響を与えるという欠点もあります。

 これらの欠点を克服した方法にケーラー照明があります。この方法はドイツのケーラーという人が考案した方法で、①光源の像、即ち電球のフィラメントの像を対物レズの後焦点に作り、②視野絞りの像を物体面に作る方法です。この方法は照明むらができず、熱焦点が標本面から外れるため先の簡易照明の方法の欠点を克服しています。

【簡易(クリティカル)照明とケーラー照明】
 上の説明では、簡易(クリティカル)照明とケーラー照明の違いが判りにくいので、下に図を示します。上が簡易照明で下がケーラー照明です。下の黒線は光源の光線を表し、赤線が標本の光線です。

light 

 この図から判るように簡易照明では、光源の作る光線と標本の作る光線が重なっています。このため光源は直接標本面に集光します。 このように、光源の作る像が標本と重なるために、標本が光で熱せられてしまいます。また、実際に見える像は光源と重なるため、光源むらが直接見えます。しかし、ケーラー照明では、光源の作る光線と標本の作る光線が重なっていません。これは光源の作る像をコンデンサ絞りの位置に作り、コンデンサを通った光源の光は標本面では平行に通過し、対物レンズの後焦点に光源像を作るため、標本を熱することも無いですし、標本面に光源像を作ることもありません。このため、むらの無い像を見ることができます。

【ケーラー照明】
 ここでは、ケーラー照明の実際を説明します。

k-light

 上の写真はビルトイン型のケーラー照明装置です。多くのケーラー照明装置は上のような機構を備えています。フィルター挿入部にはフィルターやすりガラスを挿入し、光源お色調節やむらの取り除きをします。視野絞りハンドルは視野絞りを調節します。高低倍照明切替ノブはランプの前にレンズを挿入することにより高倍率時と低倍率時における照明の拡大率を変えます。視野絞り芯だしつまみは視野絞りの中心を視野の中心に合わせます。ランプ取り付けつまみはランプの取り外しや、ランプの前後位置を調節するために使用します。ランプ芯出しつまみはランプの中心を視野の中心に合わせるために使用します。

では、実際に上のビルトイン形ケーラー照明装置を使用したケーラー照明の方法を説明します。
調節する。
 
1.照明装置のフィルターやすりガラスをすべて取り去り、照明の電源を入れる
2.高低倍照明切替ノブをL(低倍率)に合わせ、標本をステージに載せる。
3.10倍の対物レンズと10倍の接眼レンズで焦点を合わせ、光源の光量を眩しくないように絞る
4.コンデンサ絞りと視野絞りを最小に絞る
5.コンデンサ絞りの位置にランプのフィラメントの像がはっきり見えるようにランプ取り付けつまみを緩めランプ位置を調節する。
6.接眼レンズから覗き、コンデンサねじでコンデンサを上下することにより、視野絞りがはっきり見えるように調節する
 
7.視野絞り芯出しつまみで、視野絞りが視野の中心に来るように調節する

8.視野絞りを徐々に視野いっぱいになるまで開く 
9.接眼レンズを取り外し、鏡筒を覗くとコンデンサ絞りが見える 
10.コンデンサ絞りを徐々に開き、対物レンズの後玉(視野)いっぱいになるまで開くとランプの像が見える 
11.ランプの像が中心からずれている場合は、ランプ芯出しつまみでランプが視野の中心になるように調節する 
12.接眼レンズを挿入し、光量を適量に上げて観察する
 

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