100倍で観察した和紙でシャッタースピードは1/60です。和紙は日本古来の製法によって作られる紙で、洋紙が木材などの植物体を機械的・化学的に処理してほぐし、セルロース繊維を分離し水に懸濁したパルプを原料とし、機械漉き製紙法で作られるのにくらべ、和紙は、コウゾ・ミツマタ・ガンピなどの靱皮繊維を原料として、これらの繊維がアルカリ性に強いのを利用して,木灰やソーダ灰で煮て,不純物を溶かし、繊維が束の状態になっているのを木棒で手打ちするなどの方法で1本ずつばらばらにほぐします。そして、トロロアオイの根やノリウツギの樹皮を打ちくだくと出てくる粘液をねりとして使用します。これを水に入れると原料の繊維が水中で均等に分散して浮遊し、沈殿しにくくなるので、これを竹ひごやカヤひごを編んだ簀を使って漉きます。その竹簀のすきまからは水が漏れにくいので、簀の上で繊維を含んだ水を縦横に勢いよく揺り動かして,繊維どうしをよく絡み合わせて漉く、手漉きによって作られます。用途として鳥の子・奉書紙・檀紙などがありますが、強く、吸湿性に富むため、非常に長持ちします。そのため正倉院に残る紙が示すように,1000年を超えても腐ることなく、今なお使用可能なことからも判るように長い保存力をもっています。